Cat Schroedinger の 部屋
 
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書籍 (短歌、漢詩)
~説明~
万葉集から、俳句、短歌、漢詩なんでもあり。

武士の家計簿

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新
(新潮新書) [新書]
磯田 道史 (著)

Amazon.co.jp
東京・九段の靖国神社に立つ「大村益次郎」像の建立に力があったのは、加賀前田家の「猪山成之(しげゆき)」という一介のソロバン侍だった。

 幕末の天才軍略家と一藩の会計係の間に、どのような接点があったのか。「百姓」から軍略の才一つで新政府の兵部大輔に上りつめた大村と、ソロバン一つで下級武士から150石取りの上士にまで出世した成之の出会いは、いかにも明治維新を象徴する出来事だが、著者は偶然発見した「金沢藩猪山家文書」から、その背景をみごとに読み解いている。

猪山家は代々、金沢藩の経理業務にたずさわる「御算用家」だった。能力がなくても先祖の威光で身分と報禄を保証される直参の上士と違い、「およそ武士からぬ技術」のソロバンで奉公する猪山家は陪臣身分で報禄も低かった。

 5代目市進が前田家の御算用者に採用されて直参となるが、それでも報禄は「切米40俵」に過ぎなかった。しかし、120万石の大藩ともなると、武士のドンブリ勘定で経営できるものではない。猪山家が歴代かけて磨きあげた「筆算」技術は藩経営の中核に地歩を占めていく。

本書のタイトル「武士の家計簿」とは、6代綏之(やすゆき)から9代成之(しげゆき)までの4代にわたる出納帳のことである。

 日常の収支から冠婚葬祭の費用までを詳細に記録したものだが、ただの家計の書ではない。猪山家がそれと知らずに残したこの記録は、農工商の上に立つ武士の貧困と、能力が身分を凌駕していった幕末の実相を鮮明に見せてくれる。220ページ足らずとはいえ、壮大な歴史書である。(伊藤延司)


内容(「BOOK」データベースより)
「金沢藩士猪山家文書」という武家文書に、精巧な「家計簿」が例を見ない完全な姿で遺されていた。

 国史研究史上、初めての発見と言ってよい。タイム・カプセルの蓋を開けてみれば、金融破綻、地価下落、リストラ、教育問題…など、猪山家は現代の我々が直面する問題を全て経験ずみだった!活き活きと復元された武士の暮らしを通じて、江戸時代に対する通念が覆され、全く違った「日本の近代」が見えてくる。


著者からのコメント 2003/04/02
 東京・神田の古書店で、加賀藩士がつけた「家計簿」が発見された。饅頭ひとつ買っても記録した詳細なものである。天保13年(1842)から明治12年(1879)年まで37年分が残されており、金沢城下の武士の暮らしぶりが手にとるようにわかる。

 家計簿をつけたのは加賀藩御算用者(おさんようもの)・猪山直之。藩の経理係であり、将軍家から前田家輿入れした姫様のそろばん役を務めていた。

 仕事が経理であったため、自分の家でも緻密に家計簿をつけていたらしい。彼は、年収の2倍をこえる借金を抱え、年18%の高利に苦しんでいた。妻の実家に援助してもらい、お小遣いも現在の貨幣価値で5840円におさえられていた。しかし、天保13年に一念発起して家中の家財道具を売り払い、債権者と交渉して借金の整理に成功。「二度と借金地獄に落ちるまい」と、それ以後、家計簿をつけはじめた。

 その後、猪山家は家運が急上昇。江戸時代の武士社会では、猪山家のようなソロバン役人は低く見られていたが、維新の動乱期になると、会計技術者は兵站係として重宝された。

 直之の子、猪山成之は明治政府の軍事指揮官・大村益次郎にヘッド・ハンティングされて兵部省入りし、のちに海軍主計となって東京に単身赴任する。その年収は現代の3600万円にもなった。一方、金沢に残された成之の従兄弟たちは政府に出仕できず、年収は150万円。明治士族の厳しい現実である。

 本書では、なるべく、猪山家の人々の「声」を掲載することにした。幕末明治から大正にかけて、激動期を生きた家族の肖像写真をそのまま見て頂きたいと思ったからである。
 あなたは猪山家の物語に何を想われるであろうか。

感想と紹介
 8年ほど前に読んだ本です。写真は古い本なので、現在売られている本とは帯の色が違います。今回映画化され映画の方はまだ観ていません。

 映画とは違って、歴史の資料的な本です。当時大変興味深く読めました。

 この手の本を読むときに一番難しいのは、一両が一体現代の幾らくらいになるかです。一口に江戸時代といっても300年もあるのですから、江戸初期と幕末では次第にインフレとなっていったために一両そのものの価値も全く違います。まして現代のお金に換算することは不可能なのです。

 著者はそれを百も承知で、読者にわかりやすくするように米価から換算したり、大工の手間賃などから計算したりしています。米価だと一両は5.5万円ですが、手間賃などから換算すると30万円くらいとなります。
 計算方法によっては猪山家は結構な年収がありました。しかし年収の2倍以上の借金があり、高利の金利に悩んでいました。当時の金利は18%ととてつもなく高い金利でした。

 現代の我々と同じような問題を抱えていたのです。猪山家の財政再建は実に見事でした。内容は本書に譲るとして、興味深いのは自分たちは倹約しても、武士としてのつき合い、武士としての経費は全く減らさなかったことです。葬儀、お寺への寄付、親戚つき合いなど莫大な費用がかかっています。

 ソロバンだけで出世しようと、子供にも厳しい教育をしています。

 物語のようにおもしろい本ではありませんが、武士という物が実際にはどうであったかを、如実に物語っているすばらしい本です。



2011年1月26日(水)22:30 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

スマートフォン

 従来の携帯電話から、スマートフォンへの移行が予想されています。色々な予想があるようですが、すべての携帯の30%程度にはなるとの予想です。

 小さなPCをもって歩くのと同じだから、今以上に情報が重視されるようになるでしょう。

 アメリカではふつうの書籍よりDLする部数が多くなりました。新聞広告より、ネットへのCM料が超えています。
 日本の新聞の発行部数もどんどん減るようになるでしょう。skypeが自由に使えるようになれば、国内国際電話料も無料になるでしょう。

 この数年のうちに情報分野の仕組みが大きく変わっていくことが予想されます。

 やっぱり本は無くなってしまうのでしょうか?たぶん使い捨ての雑誌などは、新聞と同じように少なくなっていくでしょう。けれども辞書とか、専門書とか、論文などは無くならないような気もします。百科事典は揃う頃には内容が古くなるので、必要が無くなるでしょう。



2011年1月14日(金)23:16 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

後味の悪い小説

 昨日から読んでいた本ですが、とても後味の悪い終わり方でした。

 人により好き嫌いはあるのでしょうが、この手のものは苦手です。

 映画でも悲劇はそれほど好きではありません。まして残酷物や、オカルト物はどうにも好きになれません。 

 でも悲恋はそれほど嫌いではないのが不思議です。絶世の美女と、水もしたたる美男子が、恋愛しあっさり結ばれてでは面白くも何ともありません。結果が結ばれなくても、良い形なら問題ないといったレベルです。

 少し幼稚なのかなと思っています。



2011年1月5日(水)02:14 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

届きました

 「星新一」の本が届きました。おおよそ半分ほどは読みました。頑張って読んでも、ショートショートばっかりなので、短い話が続きます。

 けれど感心するのは、どの話も決して同じような設定ではなく、同じような落ちではありません。全て違っています。星新一は多作ですが、短い話だからこそ、それぞれ違った話として書くのは並大抵の努力ではありません。
 
 読み始めると中毒のように、次から次へと読んでいってしまいます。

 読み終わって、何か有意義な思いはと振り返ると・・・その辺りがこの小説の限界でもあります。 



2010年10月25日(月)23:40 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

星 新一 その2

 ネットで注文したところ、すぐに送られてきました。当分これを・・・
 ちょっと時間がある時に読むには面白いけれど、あまり生産的な読み物ではないのが・・・
 
 普段は小説より、エッセイとか、新書などを読むのですが、この所忙しくもっぱら「星 新一」です。
 これらを読み終えたら「星 新一」を卒業しないと・・・


 マイ国家 (新潮文庫) ¥ 460
 悪魔のいる天国 (新潮文庫) ¥ 460
 ありふれた手法 (新潮文庫) ¥ 460
 ようこそ地球さん (新潮文庫) ¥ 580
 おみそれ社会 (新潮文庫) ¥ 460
 妖精配給会社 (新潮文庫) ¥ 540
 盗賊会社 (新潮文庫) ¥ 380
 おのぞみの結末 (新潮文庫) ¥ 420
 ボッコちゃん (新潮文庫) ¥ 500
 午後の恐竜 (新潮文庫) ¥ 420
 妄想銀行 (新潮文庫) ¥ 540



2010年10月23日(土)01:29 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

星 新一

 最近仕事の本以外には、「星新一」のショート・ショートばかり読んでいます。


 少し時間があるときちょっと読むのに楽な所為で、沢山読みました。少し癖になったので、さらに10冊ほど注文しました。

 「星新一」の本は面白いけれど、何か有用な内容かというと、殆ど何の役にも立たない小話程度です。



2010年10月22日(金)15:07 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

「ある夜の物語」

「未来いそっぷ」
 著者: 星新一 出版社: 新潮文庫
 最近よく読んでいるのですが、皮肉な話も多い中で、とても良い話がありました。
この話に似た話が出版され、盗作騒ぎになったそうです。

「ある夜の物語」
 サンタクロースがある人を訪れ、何でも一つだけ願いを叶えてあげると言います。

 するとその人はさんざん悩むのですが、結局もっと困っている人の願いを叶えてあげてくださいと辞退します。

 その次の人も譲ってくれた人が居ることを知り、一人ぼっちではなかったと喜び、もっと困っている人のために辞退するのです。

 次から次へと辞退となります。
 
 心温まるとても良い話で、大変感動しました。



2010年9月1日(水)23:59 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

名探偵カッレくん

「名探偵カッレくん」

 TVで「教えてMr.ニュース池上彰のそうなんだニッポン」を見ました。

 出演
【Mr.ニュース】 池上彰  【司会】 上田晋也(くりぃむしちゅー)  滝川クリステル  【出演】 秋野暢子  賀集利樹  神戸蘭子  里田まい  八田亜矢子  林家正蔵  ビビる大木  ピース (50音順)  【Mr.ニュースに教わる人】 20カ国・20名の外国人の皆さん

 期待してみましたが、長時間の割には中身の薄い内容でした。神戸蘭子チャンはとても可愛いかったのですが、知識がなさ過ぎてあっけにとられました。真面目さと面白さの両方を狙っているのでしょうが、いくら何でも・・・出す方も出す方だと・・・

 やや好感が持てたのは、池上彰氏が子供の頃飲んだ本についてでした。名探偵カッレくん (岩波少年文庫) [単行本] アストリッド リンドグレーン (著), Astrid Lindgren (原著), 尾崎 義 (翻訳) が紹介されました。

 私も子供の頃、期せずして同じ本を読み感動していました。この本はとても面白くシリーズを全て読みました。



2010年8月27日(金)23:34 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

iPad Perfect Manual

「iPad Perfect Manual」
    価格    :\ 1,995 (税込)
    著者   :野沢 直樹, 村上 弘子
    発売会社 :ソーテック社

 iPadはまだ持っていないのですが、勉強のため本を買いました。

 いろんな本があるようですが、本書は購入時の設定から詳しく書かれており、とても親切な作りとなっています。

 実際にiPadを持っていないので、やっぱり判りにくいところもあります。(笑)

 



2010年7月13日(火)20:20 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

秋夕

 この七夕の詩は教科書には載らない詩ですが、大好きな杜牧の七言絶句です。

秋夕    杜牧

銀燭秋光冷画屏 
軽羅小扇撲流蛍
天階夜色涼如水
臥看牽牛織女星

ぎんしょく しゅうこう がへい ひややかなり
けいらのしょうせん りゅうけいをうつ
てんかいのやしょく りょう みずのごとし
ふしてみる けんぎゅうしょくじょせい

 銀の燭台からの光と秋の光が、美しい屏風を冷ややかに照らしている。宮女は軽い絹の小さな扇で流蛍をうち、飛び交う螢とたわむれている。天上の夜色は水のように涼しく、横になって、牽牛星と織女星をながめている。

 天子からの愛を失った、宮女の悲しみを歌っています。七夕は牽牛星と織女星の再会を喜ぶよりは、再会をねたむ女性の気持ちを表す物として扱われていました



2010年7月9日(金)21:10 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

迢迢たる牽牛星

 今日は七夕でした。七夕は中国から伝わったお話しですが、中国では初秋です。

 この漢詩を何時も思い出します。最後の「脈脈として語るを得ず」という句が好きです。



  迢迢牽牛星  迢迢たる牽牛星
  皎皎河漢女  皎皎たる河漢の女
  纖纖擢素手  纖纖として素手を擢(あ)げ
  劄劄弄機杼  劄劄として機杼を弄す
  終日不成章  終日 章を成さず
  泣涕零如雨  泣涕 零ちて雨の如し
  河漢清且淺  河漢 清く且つ淺し
  相去複幾許  相去ること複た幾許ぞ
  盈盈一水間  盈盈たる一水の間
  脈脈不得語  脈脈として語るを得ず

ちょうちょうたる牽牛星 
きょうきょうたる河漢の女(じょ) 
せんせんとして素手をあげ 
さつさつとして機杼(きちょ)を弄(ろう)す 
終日 章を成さず
泣涕(ていきゅう) おつること雨の如し 
河漢 清く且つ浅く 
相去ることまた幾許(ばく)ぞ 
えいえいたる一水のかん 
みゃくみゃくとして語るを得ず


 はるかな牽牛星。白く輝く天の川の織女星。
 細白き手を出してサッサッ(織機の音)と機の杼(ひ)をあやつる。
 一日中織っても、織物ができない。
 雨のように涙が落ちる。
 天の川は清くて、浅い、二人はどんなに離れていることか。
 あふれるような一筋の川がふたりを隔て、見つめ合ったまま語り合うこともできない。



2010年7月7日(水)23:51 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

星新一時代小説集(天の巻)

星新一時代小説集(天の巻)

著者:星新一
出版社:ポプラ社

【目次】(「BOOK」データベースより)
 殿さまの日/江戸から来た男/道中すごろく/紙の城/春風のあげく/すずしい夏

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
 わたしは彼らと違うのだ。いかにむなしくても、それはどうしようもないことだ─。殿さまには殿さまの悩みがあって、些細な物事にも思いを馳せる
 (『殿さまの日』)。“ショートショートの神様”が、斬新な切り口によって描き出す傑作時代小説集第一弾。

 感想
 殿様の日はとても秀作です。平和な時代の大名の暮らしぶりを上手く描いています。

 江戸から来た男は同じような話ですし、実際当時の大名がそれほど公儀のことばかり考えていたわけではありません。第1話と重なるような所が今一つでした。

 紙の城はとても面白く、終わり方も洒落ています。この話が一番気に入りました。



2010年4月21日(水)20:10 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

星新一時代小説集(地の巻)

星新一時代小説集(地の巻)

【目次】(「BOOK」データベースより)
 ねずみ小僧次郎吉/藩医三代記/かたきの首/島からの三人/元禄お犬さわぎ/厄よけ吉兵衛

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
 父親から受けた誤解が元で誕生した、江戸を代表する義賊・ねずみ小僧。庶民の間に日増しに高まる名声は更なる“期待”へとエスカレートして…(「ねずみ小僧次郎吉」)。
 松本大洋の描くイラストが佳作・名作に新たな彩りを添える傑作時代小説集の第二弾。

感想
 ねずみ小僧次郎吉は上手い設定で、当時の世相、また役者としての心意気など巧みに描いています。
 
 江戸時代死ぬことはそれほど恐れられていなくて、市内引き回しは、単なる死罪より重い刑なのですが、喜ぶ罪人もいたのは事実です。

 厄よけ吉兵衛は家主と、大家は違うのが普通で、筆者はその辺のことが少し曖昧なのが気になりました。ここは大家という設定で良かったと思います。 



2010年4月20日(火)20:19 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

星新一時代小説集(人の巻)

星新一時代小説集(人の巻)

【目次】(「BOOK」データベースより)
 薬草の栽培法/ああ吉良家の忠臣/城のなかの人/正雪と弟子/はんぱもの維新

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
 真面目一徹の田舎藩士・六左衛門は、連れていかれた吉原で遊びの面白さにハマり、金の価値を初めて知る。とめどない女遊びのツケは、やがて藩の金を流用するという事態にまで発展し…(「薬草の栽培法」)。

 星新一が遣した異色の時代小説集、ついに完結。

感想
 やはり第1番目の薬草の栽培法は主人公の設定がとても良くできていて、一番の作品です。

 このシリーズ全体に、公儀のことを気にしすぎている傾向があります。江戸時代初期はお取りつぶしも多くありましたが、何の落ち度もない大名家が取りつぶしになることはありませんでした。

 江戸時代も中期以降では、もっぱら経済が大事でした。しかし著者の描く様な武士もいましたが、やはり大部分の武士はは誇りを持って、暮らしていました。



2010年4月19日(月)20:30 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

「空想科学読本 8」

「空想科学読本 8」
  著者/訳者:柳田理科雄/著
  出版社名:メディアファクトリー

書籍紹介:
漫画やアニメを見ていると、「あれっ?」と思う瞬間がある。いま主人公は、さり気なく科学を超えた行為をしなかったか-!?
 だが、そんな疑問の多くは、物語に没頭するうちに雲散霧消する。この本には、あなたがそうやって置き去りにしてきた疑問がいくつも載っているはずだ。
 どうか本書によって、かつての自分の疑問に再会してもらいたい。

目次:
 『サザエさん』の首は細すぎませんか?

 『鋼の錬金術師』では「人体の材料は子どもの小遣いでも買える」と言われてました。具体的にはいくら?どれだけ貯金すればいいですか?

 『浦安鉄筋家族』で、フグオがフーセンガムで空を飛びました。実際にやろうと思ったら、どれだけのガムが必要ですか?

 『ブリーチ』の剣八は、いつも「やちる」を肩に乗せています。そんなことができますか?

 『ハヤテのごとく!』の綾崎ハヤテは、時速80kmの車に自転車で追いつきました。どれほどの脚力ですか?

 力太郎は、おじいさんとおばあさんの垢から生まれたそうです。人間の子どもほどの垢を2人で出せますか?
 アンパンマの顔は球体ですが、どうやって焼いたのでしょう?トレイに載せて焼くと、必ず下は平らになりますよね。

 『とある魔術の禁書目録』のヒロインは10万3千冊の魔道書を記憶しています。人間、そんなに覚えられますか?

『バリハケン』では、組体操で逆ピラミッドをやってま した。無理があると思うのですが。

『金色のガッシュ!!』では、超巨人がケルマディック 海溝から日本まで泳いでいました。相当な被害が出ませんか?〔ほか〕

感想:
 シリーズ物ですが、たわいもない漫画の話を、有る程度科学的に説明しています。気楽に読める面白い本でした。
 設定が少し強引なところもありますが、計算は真面目にしているところが笑えます。



2010年4月15日(木)21:43 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

本を買いこんで・・・

 食事に出たついでに、本屋に寄って4冊ほど買ってきました。

 大きな本屋なのに、最近は芸能人の書籍が多くなっているような気がします。読んだことないけど、チラッと見ると、中身は字が少なくて割高感があります。(笑)

 文庫版も良いけど、新書版のジャンルが好きです。もちろん新しい物はハードカバーですが、すぐに庫本が出ると少し損をした気になります。
 値段もさることながら、重いから持って歩けないし、何より嵩張るから場所を取るのが嫌です。

 新書版もハウツー物が増えて、研究結果などの学術的な物が少なくなっています。やっぱり売れないのかね~~
 



2010年4月14日(水)23:59 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

土筆(つくし)

 ミクシーのお友達のサイトに、土筆も出て、蕨も・・

 こんな春の日に何処かへ・・・と有りました。

 ふと藤村の詩を思い出しました。

 山精

かのもえいづる
くさをふみ
かのわきいづる
みづをのみ

かのあたらしき
はなにゑひ
はるのおもひの
なからずや

  木精

ふるきころもを
ぬぎすてて
はるのかすみを
まとへかし

なくうぐひすの
ねにいでて
ふかきはやしに
うたへかし

          「若菜集」より



2010年3月18日(木)20:29 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

春思

 名詩メルマガ/吟遊に乾杯!から漢詩が送られてきました。全く知らない詩でしたので、そのまま掲載します。
 春の日の女性の感傷を詠った賈至の名詩「春思」だそうです。個人的には東風はこちと読んでも良いかと思いました。

<漢詩原文>
「春思」 賈至
草色青青柳色黄
桃花歴乱李花香
東風不為吹愁去
春日偏能惹恨長

<読み下し文>
「春思」 賈至
草色青青として柳色黄なり
桃花歴乱として李花香し
東風為に愁いを吹き去らず
春日偏に能く恨みを惹いて長し

<日本語読み>
「しゅんし」   かし  
そうしょくは せいせいとして りゅうしょくは きなり
とうか れきらんとして りか かんばし
とうふう ために うれいを ふきさらす゛
しゅんじつ ひとえに よく うらみを ひいて ながし

<語釈>
歴亂:花の咲き乱れる、の意。
李花:スモモの花。
東風:春風。 
不爲:・・・を助けないで。 
吹愁去:愁いを吹き去る。 
愁:ここでは、春の物思い、春のわびしさ、の意。 
偏:ひたすら。一途に。意外にも。
能:よく。
惹恨:嘆きをひきおこす、の意。

<通釈>
 若草が青々と茂り、柳の新芽が黄金色に輝き、
 辺り一面には桃の花が咲き乱れ、スモモの花の良い香りが漂っています。
 そんな中で、物思いにふける私を知ってか知らずか、春風は一向に私の愁いを吹き払ってくれません。
 春の日は、ただただ私の心に深い嘆きを起こさせるばかりです。

<賈至の一口メモ>
盛唐の詩人。718年(開元六年)~772年(大暦七年)。字は幼幾。
洛陽の人。安禄山の乱が起こると、玄宗とともに蜀に避難し、帝位を皇太
子(粛宗)に譲る詔勅を起草した。
代宗皇帝の大暦7年(772年)に55歳で没した。



2010年3月16日(火)23:09 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

ほしのはじまり―決定版 星新一ショートショート

 「ほしのはじまり」―決定版 星新一ショートショート
出版社:角川書店
星 新一 (著), 新井 素子 (編集)

 全世界で、あるいは全宇宙で永遠に読み継がれるべきマスターピース集。これ1冊で、星新一作品世界のすべてがわかる。星チルドレンの旗手・新井素子が選ぶショートショートの最高傑作54。

感想
 昔から大好きな作家でした。星新一のショートショートは、多くの読み物で目にしていました。とてもたくさんの本が出ています。本書はその中でもとっておきを集めた物です。

 さすがにたくさんのジャンルから漏れなく、ベストばかりでした。

 編集者の新井 素子も言っていますが、時代を感じさせない所は本当に感心させられます。
 星新一は時代に合わなくなった古い作品を、丹念に直してもいたそうです。

 彼の小説は、修辞的なところが殆どありません。ノンレトリックなスタイルです。もっともショートなのだから、余分な修辞的描写は必要ないのでしょう。それだけにストーリー、プロットは実によく練られています。



2010年3月9日(火)23:07 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

春風春水一時に来る 「府西池」より

 名詩メルマガから、今月は有名な漢詩が送られてきました。この時期にピッタリの名詩です。

「府西池」    白居易

柳無気力枝先動
池有波紋氷尽開
今日不知誰計会
春風春水一時来

<読み下し文>
「府西池」    白居易

柳に気力無くして枝先ず動き
池に波紋有りて氷尽く開く
今日知らず誰か計会*するを
春風春水一時に来る

<日本語読み>
ふせいのいけ    はく きょい

やなぎに きりょく なくして えだ まず うごき
いけに はもんありて こおり ことごとく ひらく
こんにち しらず だれか けいかい するを
しゅんぷう しゅんすい いっときに きたる

<通釈>
しだれ柳が力なく風の吹くままに枝をなびかせた、と思ったら
池に波紋が生まれて、池の氷もすっかり溶けてしまった。
一体、だれがこんなにもぴったり計算したのだろうか?
今日のこの日に、春風と春水が一度にやって来るように。


 *計会とは一見間違いのように見えますが、
【広辞苑】よると
けい‐かい【計会】‥クワイ
 (ケイガイとも) 
   はからいあわせること。計画。和漢朗詠集「今日知らず誰か―せし」
   物事の一度に重なりあうこと。さしつかえること。太平記4「歳末の―に依つて暫くさしおかれぬ」
   会計。〈字類抄〉
   やりくりがつかないで困窮すること。貧乏。あきみち「今は―によつて細々の音信もなかりけり」


 この漢詩と引き合いにされる出される和歌に、古今和歌集を代表する歌人、紀貫之の歌があります。

   袖ひぢてむすびし水のこほれるを
         春立つ今日の風やとくらむ

 「春風」と「春水」とを織り込んだ、やはり立春の名歌です。
 紀貫之のこの歌は、「袖ひぢてむすびし水」(袖を濡らして手ですくって飲んだ水)に 夏 を詠い、その水が「こほれる」により 冬 を詠い、更に「春立つ今日」と 春 を詠むという、三十一文字の中に三つの季節を入れたという工夫も光るところです。



2010年2月24日(水)23:44 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理


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