春思 |
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| 名詩メルマガ/吟遊に乾杯!から漢詩が送られてきました。全く知らない詩でしたので、そのまま掲載します。 春の日の女性の感傷を詠った賈至の名詩「春思」だそうです。個人的には東風はこちと読んでも良いかと思いました。
<漢詩原文> 「春思」 賈至 草色青青柳色黄 桃花歴乱李花香 東風不為吹愁去 春日偏能惹恨長
<読み下し文> 「春思」 賈至 草色青青として柳色黄なり 桃花歴乱として李花香し 東風為に愁いを吹き去らず 春日偏に能く恨みを惹いて長し
<日本語読み> 「しゅんし」 かし そうしょくは せいせいとして りゅうしょくは きなり とうか れきらんとして りか かんばし とうふう ために うれいを ふきさらす゛ しゅんじつ ひとえに よく うらみを ひいて ながし
<語釈> 歴亂:花の咲き乱れる、の意。 李花:スモモの花。 東風:春風。 不爲:・・・を助けないで。 吹愁去:愁いを吹き去る。 愁:ここでは、春の物思い、春のわびしさ、の意。 偏:ひたすら。一途に。意外にも。 能:よく。 惹恨:嘆きをひきおこす、の意。
<通釈> 若草が青々と茂り、柳の新芽が黄金色に輝き、 辺り一面には桃の花が咲き乱れ、スモモの花の良い香りが漂っています。 そんな中で、物思いにふける私を知ってか知らずか、春風は一向に私の愁いを吹き払ってくれません。 春の日は、ただただ私の心に深い嘆きを起こさせるばかりです。
<賈至の一口メモ> 盛唐の詩人。718年(開元六年)~772年(大暦七年)。字は幼幾。 洛陽の人。安禄山の乱が起こると、玄宗とともに蜀に避難し、帝位を皇太 子(粛宗)に譲る詔勅を起草した。 代宗皇帝の大暦7年(772年)に55歳で没した。
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2010年3月16日(火)23:09 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理
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