一両の価値 |
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| 藤沢周平の作品を読んでいると、著者がお金のことに全く無頓着であったことが解ります。
ちょっとしたお小遣いに一分銀が2枚とか有ります。一分は一両の四分の一で、1000文です。
江戸時代は長く次第にインフレとなり一両の価値は下がっていきますが、現在の価値にして、少なくとも4万円高く見積もれば15万円くらいです。
ちょっとしたお使いのお駄賃に5万円は、いくら何でも沢山渡しすぎです。
当時の住み込みの女中が年収一両ぐらい、男性の奉公人で二両くらいでした。料理人は一日300文でした。職人の中でも資格を持った大工は月に一~二両は稼げました。
お駄賃の二分だと蕎麦なら200杯食べられます。お饅頭なら1000個です。お酒は一合26文でした。カゴに乗るのは200文、ウナギは150文くらいでした。二分のお金は2000文ですからとてつもない金額です。
江戸っ子にとって、ウナギを食べてカゴに乗るのは最高の贅沢でした。
著者の作品の中には、すぐに5両、十両というお金が出てきます。手切れ金に100両とか200両とか、著者は江戸時代の貨幣の知識が殆ど無いことが解ります。
そもそも町人は基本的には文でした。一分、一朱が使われました。
商人は銀で、一両が銀60匁でした。
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2014年8月15日(金)23:00 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理
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