月は移って花影欄干に上る |
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| 名詩メルマガ/吟遊に乾杯! 2008.3/20 Vol-69
漢詩鑑賞メルマガから送られてきた詩ですが、将に春にふさわしい物でした。 後半の二句は特に有名です。
夜直 王 安石
金炉香尽きて漏声残す 剪々たる軽風陣々寒し 春色人を悩まして眠り得ず 月は移って花影欄干に上る
<日本語読み> やちょく おう あんせき
きんろ こう つきて ろうせい ざんす せんせんたる けいふう じんじん さむし しゅんしょく ひとを なやまして ねむりえず つきは うつって かえい らんかんに のぼる <漢詩原文> 夜直 王 安石
金炉香尽漏声残 剪剪軽風陣陣寒 春色悩人眠不得 月移花影上欄干
<語句の解説> 夜直・・・宿直、の意。ここでは、宮中に宿泊する、の意。 金炉・・・香を焚くきれいな炉、の意。 漏声・・・水時計の音、の意。 残・・・・小さくなって、の意。 剪剪・・・風がそよぐ、の意。 陣陣・・・ひとしきり、の意。
<通釈> 金炉で焚いていた香も尽き、水時計の音も次第に小さくなった。 そこへ微風が吹いて、ひとしきり夜の寒さが感知される。 春の気配は人を悩ませるもので、なかなか眠りにつけない。 時間ばかりが過ぎて、月光に照らされた花の影が今や欄干のところまで上がって来た。
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2008年3月21日(金)23:16 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理
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