Cat Schroedinger の 部屋
 
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2007年2月20日を表示

「大安売り」と「宿屋の仇討ち」

今日は落語会でした。
 演目は「大安売り」と「宿屋の仇討ち」でした。噺家さんも二人で、華やかでした。

 「大安売り」の方は、相撲取りが負け方をいろいろ言い訳しながら全敗する話です。
極たわいない話です。

 「宿屋の仇討ち」は以前にも演じられ、そのあらすじもここに書きました。
 旅のお侍が、宿屋にやってきました。侍は、疲れた体を休めたいので、静かに寝れる部屋が欲しいと言います。宿屋の者は、奥の部屋に侍を通しますが、悪いことに隣の部屋には、江戸からの3人連れが泊まっています。

 江戸っ子が3人も揃っているわけですから、うるさいのうるさくないの、ドンチャン騒ぎをするわ、相撲を取るわと大騒ぎでございます。夜になったらなったで、自分達の女遊びの話で大いに盛りあがります。その中の1人、源兵衛さんが、

 「こう見えても、俺っちは、その昔、川越の方で、石坂って言うお武家の奥さんといい仲になっていたんだが、こういうことはそのうち亭主にバレルと言うもの。相手は武士だろぅ。見つかった、はいすみませんじゃあ、すまない。手打ちにしてくれるなんて言い出したもんだから、こっちも黙って斬られるわけにいかない。相手の刀を奪ってブスリ。あれからもう5年も経つのか。いまでこそ、俺もおとなしくなったけど、昔はそれなりに悪だったのよ」

 なんて、たわいない話で盛りあがっております。

 さて、これを隣で聞いていたお侍が。店のものを呼んで言うには、拙者は川越藩の家中の者で石坂と申す。先年討たれた弟の敵を討つため諸国を歩いていたが、ついに仇を見つけた。ここで斬りこんでも構わないのだが、それでは当家に迷惑をかける。ついては、明朝まで逃げないように縄で縛っておいて欲しい。もし万が一、彼らが一人でも逃げたら、当家は皆殺しにするから、さよう心得よ。

 さぁ大変。宿屋の者は自分達が斬られたらたまらないと、3人を縛り上げます。

 先ほどまで威勢の良かった源兵衛さんは、真っ青になって、さっきの話は全くの口から出まかせ、まさか本当にそんなことがあるなんて思いもしなかった。だいいち、自分はケンカはからっきしで……なんて、半べそかきます。

 翌朝。店の者がどうなることかと恐る恐る、お侍を起こしに行きます。お侍は、さっぱりした顔で店の者に礼を言い、さっさと宿を出ようとします。店の者が、昨夜の源兵衛はいかがいたしましょうと尋ねると、お侍は、自分には弟などいないと言います。それじゃあ、昨夜の話は……と店の者が聞くと、

「あれぐらい申さんと、拙者が寝かせてもらえんからな」

感想
 「大安売り」の方は話も短く、相撲の話は最近ではそれほど受けないので、あまり演じられません。今夜もあまり受けませんでした。パターンも同じで、もう一工夫ほしいと感じがしました。

 前の話が軽かったせいか、「宿屋の仇討ち」はとても受けていました。侍、宿の若い衆、江戸っ子三人、それぞれ使い分けも良かったのですが、江戸っ子三人のそれぞれの個性がもう少し出ても良いかと思いました。

 何より今日は会場が入り口近くで、寒かった。後で席亭に聞いたら、誰かが暑いと言って暖房を消したのだそうです。寒くては話に集中できません。



2007年2月20日(火)23:25 | トラックバック(0) | コメント(0) | 落語 | 管理


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