Cat Schroedinger の 部屋
 
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2007年2月12日を表示

花よりもなほ

監督: 是枝裕和
出演: 岡田准一, 宮沢りえ

あらすじ
 元禄15年の江戸。青木宗左右衛門は父の仇金沢十兵衛を追って、信州松本から上京してきた若侍です。仕送りも途絶えがちで、寺子屋を開き読み書き、そろばんなどを教えています。貧乏長屋の向かいの未亡人のおさえに恋心を抱くようになります。

 おさえの息子の進之助に剣術を教えて欲しいと言われたとき、武士嫌いのそで吉にひどく負けてしまいます。青木宗左右衛門は、剣術がまるで駄目なことを、みんなに知られてしまいます。それでも武士として潔く桜の花のように散るのだと、長屋の人に言います。ある人は桜が潔く散るのは、来年も花が咲くことを知っているから潔く散れるのだと言います。

 青木宗左右衛門は仇の金沢十兵衛を既に見つけていたのでした。おさえも亡き夫の仇を討つ身なのでした。しかしおさえは仇討ちに否定的でした。宗左右衛門は長屋の人達の屈託のない暮らしぶりや、金沢の暮らしぶりや、おさえの影響でなかなか仇を討つ気になれないのでした。

 この長屋には吉良上野介を討とうとする、浅野家の浪人小野寺十内も住んでいました。青木宗左右衛門が吉良の偵察でないか心配し、十内の命で青木宗左右衛門を探りに来た寺坂吉左右衛門と知り合いになりました。寺坂の「武士らしく死ぬ」と言う言葉に青木宗左右衛門は決心をします。
 
ここから先があっと驚くような、とても素晴らしい話になります。

感想
 ほのぼのとした気持ちになる良い映画でした。時代考証的にも良く出来ていて、江戸時代の貧乏長屋を忠実に描いています。
 実際江戸時代はそれほど働かなくても、何とか暮らしていけました。この中でもそんな様子が見事に描かれています。
 銭湯の様子、井戸替えの様子、ぼてふり(行商)の様子なども、忠実に再現しています。仇討ちについても、事前に届けが必要な事、仇を討ったらすぐに役所に届け、検死を受ける事などは、当時の決まり事でした。やはり映画はそういったことも大事です。

 ただ残念なのは、登場人物の言葉使いです。言葉は町人、職人、武士、武士の妻などはっきり使い分けが必要です。この映画では、時にまるで現代言葉で話したり、武士の妻が町人の用に話したりするのは頂けません。江戸時代は身分制度がはっきりしていて、武士は武士らしく話しました。町人は武士には形だけでも敬語を使いました。



2007年2月12日(月)02:32 | トラックバック(0) | コメント(0) | 映画  ドラマ TV | 管理


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