Cat Schroedinger の 部屋
 
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中秋

 明日は中秋の名月です。十五夜と言えば白楽天の有名な漢詩があります。和漢朗詠集や、源氏物語にも引用されていて、昔習ったのですが、初めだけしか覚えていません。改めて調べました。


八月十五日夜、禁中独直、対月憶元九   白居易

 銀台金闕夕沈沈
 独宿相思在翰林
 三五夜中新月色
 二千里外故人心
 渚宮東面煙波冷
 浴殿西頭鐘漏深
 猶恐清光不同見
 江陵卑湿足秋陰

読みかた
銀台(ぎんだい)金闕(きんけつ)夕沈沈(ゆふべちんちん)
独宿(どくしゅく)し相(あひ)思ひて翰林(かんりん)に在り
三五夜中(さんごやちゆう)新月(しんげつ)の色
二千里外(にせんりがい)故人(こじん)の心
渚宮(しょきゅう)の東面(とうめん)煙波(えんぱ)冷ややかに
浴殿(よくでん)の西頭(せいとう)鐘漏(しょうろう)深し
猶(な)お恐る清光(せいこう)同じくは見ざるを
江陵(こうりょう)は卑湿(ひしつ)にして秋陰(しぅいん)足る

大意
銀の高殿・金の城門は、夕方ひっそりと静まりかえっている
独りの宿直で元槇のことを思って翰林院にいる
十五夜の夜の満月の色
二千里かなたの友の心を思っている
楚の宮殿の東側、もやで煙った水面は、冷ややかに光っているだろう
浴殿の西側では水時計の音が静かに時を告げている
気がかりなのは、月の清らかな光を同時に見ていないかもしれないことだ
江陵は、低温で秋はくもりが多いから

銀台、金闕、浴殿は白居易が当直していた、翰林院の周りの建物です。
渚宮は元槇(げんじん)が左遷されていた、江陵にあったいにしえの楚王の宮殿です。



2008年9月13日(土)23:18 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理


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