「寝床」 |
|
| 寿司屋での落語会、出席できなくて残念だった。 出し物は「寝床」 「替り目」で、どちらも好評だったらしい。
「寝床」はとても有名な話で、 日本橋は横山町に呉服屋のご主人がおられて、実に温厚な方だったのですが、ただ一つ問題は、義太夫がお好き。好きなのは構わないのですが、お世辞にもお上手とは言えない。ところが、困ったことに、ご自分では免許皆伝だと思われているものですから、夜になると、店のものを集めてお聴かせになる。
店の者や、店子は、影ではあの恐ろしい義太夫を聞かされて、患ったとか、地獄の雄叫びとか言って散々で、それを聞かされるのを、とても恐れていて、仕事があるとか言って、逃れようとする。するとご主人は怒り狂ったから、皆しぶしぶ聴くことになった。 その夜も、声を張り上げていると、店のものがシーンとなる。感に堪えて聴き入っているのだろうと、ひょいと見ると、みんな寝てしまっている。怒った主人が、ふと見ると、12、3の小僧さんがしくしくと泣いています。
「お前は偉いねぇ。だいの大人が、不作法にも寝ている中で、お前だけが義太夫の悲しいところに身につまされて泣いているんだね。もう泣くんじゃない。どこが悲しかった? 『馬方三吉子別れ』のところか?」 「そんなとこじゃない」 「それじゃ、『宗五郎の子別れ』か? そうじゃない? どこだい?」 「あすこです。あすこなんです(と、左手で前方をさす)」 「あそこは、あたしが義太夫を語ったところじゃないか」 「あたくしは、あそこが寝床なんです」
寿司屋に行くたびに、二階を改築して、寄席の席にするように奨めているのだが、なかなか決断しなくて・
| |
|
2005年2月17日(木)01:07 | トラックバック(0) | コメント(0) | 落語 | 管理
|