Cat Schroedinger の 部屋
 
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「春夜喜雨」   杜甫

井上洸霊さんから
杜甫の名詩「春夜喜雨」が送られてきました。

<漢詩原文>
「春夜喜雨」   杜甫

好雨知時節 
當春及發生 
隨風潛入夜 
潤物細無聲 
野徑雲倶黒 
江船火獨明 
曉看紅濕處 
花重錦官城 

<読み下し文>
「春夜、雨を喜ぶ」   杜甫

好雨 時節を知り
春に当りて 及ち発生す
風に随いて 潜かに夜に入り
物を潤して 細かに声なし
野径 雲は倶に黒く
江船 火は独り明らかなり
暁に 紅の湿れる処を看れば
花は錦官城に重からん

<日本語読み>
「しゅんや あめをよろこぶ」   とほ

こうう じせつを しり
はるに あたりて すなわち はっせいす
かぜに したがいて ひそかに よにいり
ものを うるおして こまやかに こえなし
やけい くも ともに くろく
こうせん ひは ひとり あきらかなり
あかつきに くれないの しめるところを みれば
はなは きんかんじょうに おもからん

<語釈>
好雨:気の利いた雨、の意。 
発生:ここでは雨が降り始めること。
野径:野の小道。 
江船:長江を行き交う船。
錦管城:成都(現在の四川省の省都)の別名。盛唐時代、この地の産物である錦を保管管理する役所があったことから当時は錦管城とも云われた。

<通釈>
 春雨というのは実に降るべき時節を心得ていて、春が来るや否や雨を降らせる。
 それは風とともに秘かに夜にやって来て、音もなく、しとしとと降っては万物を潤すのである。
 野の小路は雲と同じく黒々として暗く、ただ長江を行き交う船の灯りだけが明々と見える。
 雨の一夜が明けて紅い花が湿っているところを見ると、我が錦官城の花々もさぞやしっとり濡れて重たいことだろう。



2012年3月25日(日)23:27 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

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