夕立を歌った漢詩 |
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| 昨夜から雷がひどく、今日も怪しい天気でした。夕立を詠った漢詩の代表作の一つです。
六月二十七日*、望湖樓*酔書 蘇軾*
黑雲翻墨未遮山, 白雨跳珠亂入船。 卷地風來忽吹散, 望湖樓下水如天。
六月二十七日、望湖楼に酔(よ)いて書す
黒雲墨(すみ)を翻(ひるがえして)して 未だ山を遮(さえぎ)らず 白雨珠(たま)を跳(おど)らせ 乱れて船に入る 地を巻き風来(きた)って 忽(たちま)ち吹き散じ 望湖楼(ぼうころう)下 水天の如し
詩の意味 黒い雲が墨をこぼしたように広がってきて、山を覆わないうちに、 夕立の白い雨粒が真珠の玉が跳ねるような勢いで船に乱れこんで来た。 そのうち地面を巻き上げるような風が吹いてきて、あっという間に雲を吹き飛ばした。 望湖楼の下の水は、空の青さのように青く、平坦になった。
*6月は旧暦で夏の終わり頃です。 *望湖楼:杭州の西湖畔の建物 *蘇軾(Su Shi):北宋の詩人、号は東坡 (1036~1101年)「赤壁賦」が代表作です。兄弟で進士合格し、その後科挙にも合格し役職に就きますが、政変があり流罪になったり、再び役職に就いたり、浮き沈みの多い人生でした。流罪になったときその地を東坡と名付け、みずから「東坡居士」と号しました。
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2011年8月7日(日)23:59 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理
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