「花のあと」 |
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「花のあと」
監督: 中西健二
原作: 藤沢周平
出演: 北川景子 甲本雅裕 宮尾俊太郎 相築あきこ 谷川清美 佐藤めぐみ 市川亀治郎 伊藤歩 柄本明 國村隼
あらすじ: 東北にある海坂藩。女でありながら男顔負けの剣術の腕を持つ以登は、一度だけ竹刀を交えた藩随一の剣士・江口孫四郎に、一瞬にして熱い恋心を抱く。
しかし、以登にも孫四郎にも、ともに家の定めた許嫁がいた。以登はひそかな思いを断ち切って、江戸に留学中の許嫁の帰りを待ち続ける。数か月後、以登のもとに藩命で江戸に向かった孫四郎が自ら命を絶ったという知らせが入る……。
感想: 時代劇にありがちな薄暗い映像と違って、とても綺麗で、出てくる女性は皆美人で、所作も武家の娘らしく行儀作法は満点でした。
北川景子扮する「以登」は勝ち気ですが、武士の娘らしく親の決めた許嫁を嫌いながらも、しきたり通り素直に従います。 また日頃の女らしさと、戦うときの厳しい表情の違いは映像的にも見事でした。何より勝ち気で一途な娘を良く演じています。この辺りは非常に良くできています。
所が肝心の宮尾俊太郎扮する「江口孫四郎」がミスキャストでした。バレリーノだそうですが、一目見た瞬間歯並びに嫌な予感がしました。案の定滑舌は悪く、台詞回しは学芸会程度でした。無理もありません、バレリーノに台詞の上手下手を言う方が無理です。 監督の責任です。(キッパリ)
周りの女性も皆綺麗ですが、北川景子扮との会話ではお互いの稚劣さが目立ちます。これが甲本雅裕や國村隼との会話では、ごく自然に聞こえます。やはり役者さんは役者さんです。
映像的には綺麗ばっかり追いかけており、肝心の斬り合いでも迫力がまったく有りません、殆ど血が流れません。斬り合いなのに血が出ない斬り合いでした。殺陣ですが、つばぜり合いが多すぎでもあります。真剣勝負でつばぜり合いなどは殆ど無いのが通例です。
藤井勘解由役の市川亀治郎は大変良く演じていました。言葉使いから所作まで実に武士らしく、悪役も様になっていました。 柄本明と國村隼は言わずもがな、地味でしたが良い味出していました。
武士の父親として、娘に対する愛情を少ない台詞で十分に表現していました。この辺りはとても上手く行っていると感じました。
落語や、時代考証、江戸時代研究を趣味にしていたので、時代劇にはとても厳しいのです。(笑)
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Sep.20.2010(Mon)01:39 | Trackback(0) | Comment(0) | 映画 ドラマ TV | Admin
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