「梅雨」 杜甫 |
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| 名詩メルマガから珍しい漢詩が送られてきました。 中国にも梅雨はあるようです。「梅雨」という漢字は中国から「梅雨(ばいう)」として伝わり、日本では江戸時代頃から「つゆ」と呼ばれるようになったようです。
<漢詩原文> 「梅雨」 杜甫 南京犀浦道 四月熟黄梅 湛湛長江去 冥冥細雨来 茅茨疎易濕 雲霧密難開 竟日蛟龍喜 盤渦與岸回
<読み下し文> 梅雨(ばいう)杜甫 南京犀浦(なんけいさいほ)*1の道 四月の黄梅熟(じゅく)す 湛湛(たんたん)として 長江去り 冥冥(めいめい)として 細雨来(きた)る 茅茨(ぼうし)*2は疎(そ)にして 湿(うるお)い安く 雲霧(うんむ)は密(みつ)にして 開け難し 竟日(きょうじつ)*3 蛟龍(こうりゅう)喜び 盤渦(ばんか) 岸と回(めぐ)る
*1南京犀浦(なんけいさいほ)南京は成都、犀浦は成都の県名。 *2茅茨(ぼうし)茅(かや)ぶきの屋根 *3竟日(きょうじつ)一日中 <通釈> 私の住む南京(成都)犀浦一帯は 4月になると梅の実が黄色く熟すようになる。 その頃、長江は水を満々と湛えて流れゆき、 暗い空からは細かな雨が鬱陶しく降って来る。 草堂の中は屋根の茅がまばらな為に湿っぽく、 外は雲のような霧が立ちこめて、なかなか晴れようともしない。 日がな喜んでいるのは水中の竜くらいなものだろう。 その証拠に水面に渦が巻き、岸に沿ってぐるぐる回っている。
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2009年6月12日(金)23:42 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理
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