落語と忠臣蔵 |
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| 落語と忠臣蔵と言えば、重要なのが上方落語に有ったのを忘れていました。これは全編歌舞伎づくしの噺です。
題名はそのまま「七段目」
芝居好きの商家若旦那が親に注意され、二階で一人で歌舞伎のまねをしています。奉公人が注意に行くのですが、これが同じように芝居好きで、芝居の真似して階段から転げ落ち、 「てっぺんから落ちたのか?」
「いいえ、七段目」
この噺は、歌舞伎のパロディーになっているので、かなりの歌舞伎通でないと、面白さは解りません。
親から注意されて、返事をする若旦那の台詞が、全て歌舞伎の台詞になっています。
調べるのが大変ですが、「世紀末亭」 上林正典(かんばやし・まさのり)氏のHPに詳しく解説されていましたので、ここに紹介しました。
「巡礼にご報謝を~」 =『傾城阿波の鳴門・巡礼歌の段』おつる、お弓再会の名場面。
「しばらくしばらくしばらく、あッ、お待ちなされて、くださりませぇ~」 =『暫(しばらく)』清原武衡(きよはらのたけひら)が、自分の意に従わない人々を家来に斬らせるところに、登場する鎌倉権五郎(かまくらごんごろう)の台詞。
「ははァ~ッ、遅なわりしは拙者重々の誤り」 =『仮名手本忠臣蔵・三段目』塩谷判官の台詞「遅なわりしは拙者が不調法」から。
「そら、わらわとて同じこと」 =『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)・花渡しの段』親同士の不和を知りながら密会する倅を探しに行こうとする清澄に対し、同じく娘を探しに行こうとする定高の台詞。
「枝振り悪しき桜木は、切って接木をいたさねば、太宰の家が立ちがたし」 =『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)・妹山背山の段』太宰の後室定高の名台詞。 「おぉ、父っつぁん、そのお嘆きはご無用ぉ、ご無用ぉ」 =『義経千本桜・すしやの段』鮓屋の権太の台詞から。
「どこのどなたか存じませんが、これは男のシャ面を」 =『夏祭浪花鑑・長町裏の段』舅義平次が九郎兵衛をいたぶり、雪駄で眉間を割る場面。のはず?
「晦日(みそか)に月の出る郭(さと)も、闇があるから覚えていろぉ~」 =『曽我綉侠御所染(そがもようたてしのごしょぞめ)・甲屋奥座敷』御所五郎蔵の台詞から。
「あの太鼓の鳴る時には町々の木戸も開き、吉祥寺へも行かれるとのこと」 =『伊達娘恋緋鹿子・火の見櫓の段』
「もしも翼があったなら、羽が欲しぃ、翼が、あッ、欲しぃ~」 =『本朝廿四孝・奥庭狐火の段』父の企てる夫勝頼暗殺計画を知り、追っ手が迫る前に早く知らせたいと、はやる八重垣姫の台詞。
「芝居の真似をやめればよし、やめぬなんぞとぬかすが最後」 =天保年間の『裏表忠臣蔵』上演の際に三段目・裏門の段をもとに書かれ、現在では『仮名手本忠臣蔵』四段目のあとに上演されることが多い「道行旅路の花婿」の中にある勘平と鷺坂伴内の立ち回りでの台詞だと思われます。 =『仮名手本忠臣蔵・裏門の段』の勘平と鷺坂伴内の掛け合いと、それに続く捕り物から? 歌舞伎独特の台詞回しを連ねただけ?
世紀末亭 上林正典(かんばやし・まさのり)氏のHPから引用しました。 http://homepage3.nifty.com/rakugo/index.htm
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2008年5月3日(土)22:16 | トラックバック(0) | コメント(0) | 落語 | 管理
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