陶芸のお便り |
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| 今日陶芸についてのお便りを頂きました。嬉しくなって、あれやこれやと沢山書いたお返事をしました。
----- Original Message ----- 茶碗などの足の部分を糸底「いとじり」と言うのですね。 私も陶芸が好きで、茶碗や湯飲みを作ったことがあったのですが、先日始めて知りました。 新しいことを知って嬉しかったので、陶芸好きの方に伝えたくなってしまいました。
九州は伊万里焼、有田焼等有名ですが、私はもう少し素朴な感じが好みです。(薩摩焼は陶器らしい感じの物が多いように思います。) もちろん、あの鮮やかな色使いや、繊細かつ精密な柄も素敵ですが。 有田陶器市は有名ですが、陶器?磁器ではなかろうか?なんてちょっと思っちゃいました。 磁器も陶器の一部なんですかね…。
------------------------------------- Re. 「糸尻」という言葉のほかに、「糸底」とも言います。これはロクロで作る際、最後に一番下を糸で切るからです。他にたたみに着くことから、畳みつきとも言われます。 お茶の世界では、この糸の模様を、珍重したりします。特に「お茶入れ」では通常底は、碁笥底(ごけそこ 囲碁の石を入れる、器)と言って、切りっぱなしで、糸の切り口が渦巻き状になっていることが、決まりです。 糸底はその部分を高台とも言って、お茶の世界ではとても重要な景色です。わざと中心をずらしたり、柿のへたの様にしたりします。形によって沢山の名前があります。 陶器と磁器は別のものです。と言うか両方とも焼き物ですが、簡単に言うと、陶器は古い焼き物で、焼成温度も(1250度)土が原料です。磁器はどちらかと言うと新しい焼き物で、焼成温度も高く(1300度)で石の粉から作ると言ってもいいでしょう。叩いて金属的な音がすれば磁器、低音ですと、陶器です。 九州ですと、唐津焼は陶器です。 大分県の小鹿田(おんた)焼きはご存知でしょうか?これも陶器です。 ----------------------------- ----- Original Message ----- お返事をありがとうございます。 返信いただけて感激しました。 さすが、すばらしい知識ですね。 たくさんの呼び方があるのですね。 高台の無い器の底のざらざらした感触や景色は、さざ波や、風紋の様で美しいですね。 わざとずらすのは、難しそうですね。(だから珍重されるのですよね…) 繊細なのも素敵ですが、茶碗の高台の中に削った跡が渦巻き状に残っている姿も、未完成の美と言うか、荒々しいような、かわいらしいような感じがして好みです。 久しぶりに器について考えました。 意識して見ると、どの器もかわいらしく見えてきますね。 食器棚の奥に眠っている器もたまには出してあげなくては…という気持ちになります。 唐津焼は見たことがありますが、小鹿田焼きは知りませんでした。 チャンスを作って観に行ってみます! 教えてくださってありがとうございます。 楽しみが増えました。 ---------------------- Re. 碁笥高台はロクロを廻しながら、糸を引いて切るので、自然に偏ったさざ波のようになります。わざとずらすのではありません。 高台を偏って削ることもあります。それは「三日月高台」あるいは「片薄高台」と言われます。代表的なものとして、高台の途中に節があるものは、「竹の節高台」、 真ん中が盛り上がったのを「兜巾(ときん)高台」十字に割れたようなものを、「割高台」と言います。お茶の世界では高台は重要な景色とされているようです。 唐津はとても良い所と聞いております。また小鹿田は山深い谷間の集落だそうで、10軒の窯元が江戸時代から続いているそうです。一子相伝とか言って、増えもしなければ減りもしないシステムで、10軒の窯元を守っているそうです。県隣の、小石原(福岡県)も良い所と聞いています。どちらも民芸風で、陶器です。「飛び鉋(かんな)」と言う手法で、器に飛び飛びの鉋の模様が特徴です。一度は行って見たいと思っているのですが・・・ 唐津焼をごらんになったことがあるそうで、私が作った唐津風?茶碗の写真を送ります。 写真手前は萩焼き、奥が唐津焼きのつもりです。 私はお茶を致しませんが、お茶の世界では、一楽、二萩、三唐津と言います。
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2005年9月7日(水)23:46 | トラックバック(0) | コメント(0) | 陶芸 | 管理
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