Cat Schroedinger の 部屋
 
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2017年10月19日を表示

”「縮み」志向の日本人”

 ずいぶん前に”「縮み」志向の日本人” 李 御寧著 を読んだことがあります。日本人は世界にも稀な小さい物を作る事が好きで、得意であると言った事でした。 世界中に送り出された扇子、エレクトロニクスの先駆けとなったトランジスタなどはそうした。

 大自然を庭の中に縮小させて作った日本庭園、大きな樹木を植え替えて縮めた盆栽、4畳半の茶室、食卓の上の食事を小型化して、小さな箱に詰め込んだ幕の内弁当、ご飯を縮めたおにぎり、詩を17文字に短縮した俳句など、例を挙げれば枚挙にいとまがない。

 日本人はなぜ小さくて精巧なものを好み、小さなものを作るのが好きなのか?日本人の特質を発見した李氏も、「その理由はよくわからない」と率直な感想を述べている。

 日本にはなくて輸入されたコウモリ傘を、折りたたみにしたことも世界を驚かせました。


 中国の新聞の記事に面白い記事を見つけました。
 日本人による日本人論や日本文明論は、みな欧米との比較になっている。しかし、日本文明や日本人を考察するには、単に欧米だけの比較だけではだめだ。隣国の中国や韓国との比較が大切だ。

 日本人が旅行が好きだった。しかも日本人は自分で荷物を背負い、一歩一歩長い距離を歩くしかなかった。長い距離を歩き続き、ようやく宿に着いて休む時、人々はお互いにいかに荷物を軽くできるかの心得や方法を教え合った。

 物を小さくする方法を発見した人は、同宿の人々からの賛同を得て、一夜にして英雄となった。これらの縮めた物は、あっという間に日本全国に広まった。日本列島の地形や気候の中にあったのだ。

 以上の事が小さくすることに長けた理由だと述べています。まさにその通りです。


 これにはもっと理由があると確信しています。江戸時代武士から百姓まで旅は建前は自由には出来ませんでした。しかし江戸中期以後、宗教的な理由が有れば旅行はかなり自由でした。

 その代表は御伊勢参りです。日本人はさほど伊勢神宮を大事に思っていたかは怪しいところもあります。伊勢参りと言いながら、その足で京都見物、大阪見物はセットでもありました。

 また旅自体も参勤交代で各街道は整備され、実に安全に旅行できました。個人の旅行であり、ごく普通の町人、百姓の旅行ですからお伴が付くことはなく基本的には自分で荷物を持っていきました。それが道具を軽く小さくする様に成りました。

 幕末に日本を訪れた外国人は、農民が自由に旅行しているのを見て驚いています。携帯用のペン(矢立)を持っていて、殆どの人が字を書き、読めることに驚いています。一番驚いたのは、商家に雇われている女中が手紙のやりとりをしていることでした。また宗教的な旅行のはずなのに、明らかにピクニックだと、イザベラ・バードが宗教心のなさを驚いています。

 しかしそれだけで全ては説明できせん。やはり茶道の影響を挙げたい。大名までが3畳間の茶室でお茶を飲む文化は日本独特の文化です。庭も借景と言う概念を入れた作りです。この根本の思想は禅の思想であり、老荘思想の隠遁の思想です。

 江戸時代が平和であり、支配階級の武士も質素を心がけ、百姓は農奴などではなく、町人もかなりの人権が保証されていたことが有ります。



2017年10月19日(木)23:57 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

「プール」

監督・脚本:大森美香
出演:小林聡美、加瀬亮、伽奈、もたいまさこ

あらすじ:
 さよ(伽奈)はタイ北部、チェンマイのゲストハウスで働く母(小林聡美)を訪ねます。

 4年前、祖母にさよを預けて旅立った母は小さなプールのある場所で、オーナーの菊子(もたいまさこ)や手伝いの市尾(加瀬亮)らと過ごしています。

感想:
 個人的には評価できない映画でした。「かもめ食堂」「めがね」と同じような作りですが、似て非なるものでした。

 まず第一に、重要な役の伽奈が全くの素人で、演技になっていませんし、演技をするような状況もありません。笑いも無ければ、悲しみも、怒りも有りません。のっぺらぼうです。

 題名のプールも存在の意味がありません。日常を描くにしても、科白の意味も全くありません。

 違う見方があるのでしょうか?
 
 個人的には超苦手な作品でした。
 



2017年10月19日(木)01:04 | トラックバック(0) | コメント(0) | 映画  ドラマ TV | 管理


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