鏡王女 |
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| NHKのラジオで『万葉集』のこの歌が取り上げられていました。
488 額田王 君待つと我が恋ひをればわが屋戸のすだれ動かし秋の風吹く 489 鏡王女(かがみのおおきみ) 風をだに恋ふるは羨(とも)し風をだに来むとし待たば何か嘆かむ 【意味】 488 あなたが来るのをを待って恋い慕っていると、家の戸口のすだれを動かして、来たのかと思ったら、秋風が吹くばかりで・・・。 489 風が吹くだけで恋する人が来たと思うほど待ち焦がれるなんてうらやましい。風にさえそう思えるのなら、何を嘆くことがありましょうか。待つ人がいない私はもっと辛いのに・・・。 【説明】 風を題材にした優雅な恋の歌です。488は額田王が天智天皇を思い慕い、天皇の訪れがないのを嘆く歌。
いっぽう489では、姉の鏡王女が、天皇の訪れを期待できるだけあなたの方が幸せだと言って嫉妬しています。
489の歌は、「風をだに」が繰り返し使われており、技術的には問題ですが、気持ちが良く表れており、古代の形に囚われない名句だそうです。
個人的にも素朴でとても良いと思います。
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2012年8月23日(木)00:03 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理
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