「夏意」 |
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| 井上洸霊さんからメルマガが来ました。今まで知らなかった漢詩ですが、素晴らしいので転写しました。
人生に役立つ名詩メルマガ
今回は北宋の詩人、蘇舜欽の名詩「夏意」をお届けします。 昼寝をしようと涼しい離れにゴザを敷いて、ごろりと寝転がると すだれ越しに今は盛りと咲くざくろの花が見える。庭には涼しげ な木陰が出来ている。そんな庭の風景を楽しんでいる中にいつの 間にか寝入ってしまった。夢から覚めた丁度その時、庭に遊ぶ 鶯がひと声美しい声で鳴いた、という最高に贅沢で羨ましい詩です。
「夏意」 蘇舜欽
別院深深夏簟清 石榴開遍透簾明 樹陰満地日当午 夢覚流鶯時一声
<読み下し文> 夏意 蘇舜欽
別院は深深として夏箪清く 石榴開くこと遍く簾を透して明らかなり 樹陰地に満ちて日は午に当たる 夢覚むれば流鶯時に一声
<日本語読み> 夏意(かい) 蘇舜欽(そしゅんきん)
べついんは しんしんとして かたん すずしく せきりゅう ひらくことあまねく れんをすかして あきらかなり じゅいん ちにみちて ひは みなみにあたる ゆめ さむれば りゅうおう ときにいっせい
<語釈> 夏意:夏の気配、の意。 夏箪:竹皮や葦などで編んだ夏用のゴザ、の意。 石榴:ざくろ
<通釈> 屋敷の離れはひっそりとしていて、敷かれたゴザはひんやりして実に 涼しい。庭一面に咲いたざくろの花が、すだれ越しによく見える。 木陰が庭いっぱいに広がり、おりしも太陽は真南にかかっている。 午睡の夢から覚めた時、枝を渡る鶯がひと声鳴いた。
<蘇舜欽一口メモ> (1008~1048)・・北宋の詩人。、開封(河南省)の人。 進士及第後、県令、大理評事等となる。梅堯臣と並び称せられ「蘇梅」 といわれる。
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2011年7月2日(土)22:33 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理
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