Cat Schroedinger の 部屋
 
                        雑談の部屋です。
 



備前焼

 焼き物が趣味なので、違った角度から見ると、驚きがありました。

 どの店も値段の付け方が、見事に統一されています。一番に作家のランク、作家の下に陶工というランクがあります。まあ見習い助手というランクです。二番目に焼け方です。窯変した「桟(さん)切り」が一番高く、電気でも焼ける火襷(ひだすき)が一番安くなっています。

 ガスでの焼成は出来ないので、原則として薪釜です。写真のような登り窯が至る所にあります。登り窯では窯変が沢山取れないので、穴窯も使用しているようです。

 昔は燃料と言えば薪でした。その後石炭になり、石油、ガスになり、電気になりました。陶芸の窯もそのまま変化してきました。
 今では薪による焼成が一番高くつきます。備前が高いのも、そのためです。

 あまりの見事さに、おそらく厳しい決め事が有るような気がしました。もっともそうしなければ、これだけの店が成り立っていけません。大手が安売りすればあっという間に小さな店は潰れてしまうでしょう。また有名でない作家は食べていけません。

 とはいえ赤松でしか焼けない備前の持つ不思議な魅力は、日本人の心に響きます。どんなに価格を保とうとしても、焼き物そのものに魅力がなければ成り立たないのです。

 焼き物は陶磁器といわれるように、土から作られる陶器(土物と呼ばれます)と、石から作られる磁器(石物と呼ばれます)に分けられます。

 備前焼や、信楽焼は、陶器と磁器の中間である、炻(せつ)器に分類されます。炻器とはストーンウエアーの訳です。
 
 釉薬を使わないで、そのまま焼くので、焼き締めとも言われます。実はそれほど温度に強くなくて、ゆっくり温度を上げていかないと早めに外が溶けて気泡(ぶく)が出来てしまいます。そのため数日から10日もかけてゆっくり焼いていきます。また焼き直しがききません。焼き損なっても何度でも焼ける信楽焼とはその辺りが大変違います。



 駅前の喫茶店でも、器は備前です。

 陶器店で山のようにある器を見ると、いささかげんなりしますが、こうやって使ってあるとやっぱりっ勢いがあります。



2011年5月15日(日)16:00 | トラックバック(0) | コメント(0) | 陶芸 | 管理

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