「大麻ヒステリー」の続き |
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| 大麻とは関係ない話が出てきて、面白いと思いました。 著者は、江戸時代末期の日本文化の素晴らしさを取り上げています。
イギリス初代駐日総領事のオールコックの話や、オランダ海軍のカッティンディーケ、アメリカ初代駐日公使のハリスなどの言葉を引用しています。
「オールコックの江戸」「逝きし世の面影」などで、既知のことでしたが、私も同じように思っていたので賛同しました。
スイス遣日使節団長のアンベールの言葉は特に好きです。 「日本でも若干の大商人だけが、莫大な富を持っているくせに更に金儲けに夢中になっているのを除けば、普通の人々は生活の出来る範囲で働き、生活を楽しむためにのみ生きていた。
労働それ自体が最も純粋で激しい情熱をかきたてる楽しみであった。
職人は自分の作るものに情熱を傾けた。彼らには、その仕事にどれくらいの時間、どのくらいの日数を要したかは問題ではない。 彼らはその作品が売れるかどうかではなく、作品のできに満足できれば、仕事を切り上げたのである。」
この言葉には本当に感動しました。
随分無くなりましたが、未だに職人気質は残っているような気がします。
外国で日本の車を作っていたら、外国の従業員に、「どうして見えないバンパーの裏まで綺麗にするのか?」と聞かれ、 指導者は言葉に詰まりながらも、「仕事というのはそういうものだ!」そう言い切ったそうです。 この話も好きです。
太陽パネルを見ても、日本人は電気への変換率を上げることに懸命でした。技術では世界一でした。所が中国などでは、変換率は悪くても大量に安く作り出しました。
日本人に似ているのがドイツ人です。世界一の性能の戦車は、アメリカの安く粗雑だけれども大量に投入された戦車にあっけなく負けました。
現在はアメリカの合理主義が最高のように思われていますが、仕事に満足すると言う姿勢は、実は貴重なものだと思っています。
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2010年1月25日(月)23:47 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理
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