Cat Schroedinger の 部屋
 
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英国人写真家の見た明治日本 この世の楽園・日本

 英国人写真家の見た明治日本 この世の楽園・日本
講談社学術文庫 ハーバート・G.ポンティング/〔著〕 長岡祥三/訳

 スコット南極探検隊の映像記録を残したポンティングは、世界を旅し、日本を殊の外愛し、この世の楽園と讃えた。
 京都の名工との交流、日本の美術工芸品への高い評価。美しい日本の風景や日本女性への愛情こもる叙述。浅間山噴火や決死の富士下山行など迫力満点の描写。
 江戸の面影が今なお色濃く残る百年前の明治の様子が著者自らが写した貴重な写真とともにありありと甦る。

 ポンティング,ハーバート・G. (ポンティング,ハーバートG.)   Ponting,Herbert George    
 1870年、イギリス生まれ。写真家。1910年、スコット南極探検隊に参加し、写真と映像による記録を残す。著書に“The Great White South”などがある。1935年没

感想
 ポンティングが初来日したのは1902(明治35年)年頃です。日露戦争にも従軍写真家として参加しています。帰国したり再来日したりしていますが、1906年(明治39年)まで日本に居ました。

 写真だけではなくて、文章も沢山ありました。とても親日的というか日本贔屓すぎるきらいはありますが、興味本位の写真でなく、心から日本を愛している所が随所に見られました。また写真家としての技術も素晴らしく、当時の日本の素晴らしさをあたたかい目で写し出しています。

 富士山にも登っています。頂上に4日間も泊まり写真を撮ったようです。当時のカメラを持って登山するのはとても大変で、剛力を4人も雇っています。富士登山の様子は日本人以上の感性で、素晴らしい文章でした。

 江戸時代でもなく、明治初期でもなくて、やや中途半端な時期なのが、この写真家をそれほど有名にしていないのでしょう。
 日本は日清、日露戦争の後めざましく発展していきます。この書では、まだまだ素朴な日本の素晴らしさが見事に描かれています。

 本書の沢山の写真は、オリジナルプリントではなくて、印刷物から取った物です。オリジナルは、ロンドンの大英博物館に保存されているようです。

 翻訳の長岡祥三氏はえらく誉めてある書評もあるが、少なくても文学者ではないと思う。詩情というか、美しさに欠けています。個人的には評価できません。

 いろんなサイトを見たら、少数ですが酷評されている文章があって、ちょっと安心。



2008年9月24日(水)01:35 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

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