Cat Schroedinger の 部屋
 
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木村伊兵衛展

木村伊兵衛展
 http://www.kahitsukan.or.jp/ihe.html
に行ってきました。最終日とあって、結構な人出でした。

 技術的には、奇を衒わないというか、自然な写真の撮り方です。彼の特徴である、フラッシュを焚いたり、ライトを当てたりしないで、自然光で撮っているのが、現物を見るとよく解りました。

 もうずいぶん前ですが、舞妓さんか何かを撮ったカラーの写真を見たことがあります。夕方の自然光で、素晴らしい色を出していたのを想い出しました。

 自然に撮ってあるから、フォーカスが幾分甘いのも沢山ありました。木村伊兵衛がソフト・フォーカスを多用したのに対し、土門拳はパン・フォーカスを多用しました。恐ろしいまでの、厳しいピントビッタシです。

 木村伊兵衛が何より素晴らしいのは、被写体が緊張していない所です。スナップの名人と言われるゆえんです。
 対して、土門拳はあまりバチバチやっているので、被写体の方が怒りだしたとか、何日も失敗写真を撮り続けたとか、非常に対照的です。

 土門拳は映画監督だと、黒澤明に似ています。木村伊兵衛は、木下恵介に似ているような気がします。

 最近は、デジタルカメラの進歩で、ピントが厳しいものが良い写真のように言われやすい傾向にあります。彼の作品はとても甘いピントです。芸術は結局人柄のように思えました。特に伊兵衛の写真は、彼のやさしい人柄が繁栄されているようでした。



木村伊兵衛展 (紹介文章から)
 木村伊兵衛(1901-1974)は、昭和初期に『光画』同人として発表した作品などで名声を確立して以降、晩年に至るまで常に一線で活躍した、日本近代写真史上最も重要な写真家のひとりです。

 戦前・戦中期に携わった報道・宣伝写真、戦後の秋田やヨーロッパ外遊で撮影された一連の作品、また東京を中心とするストリート・スナップ、さまざまなポートレイト、舞台写真など、木村は多彩なテーマにとりくみ、多くの傑作を残しました。それらの作品は、卓越したカメラ・ワークと、機材や感材への深い理解によって生み出されたものであり、写真独自の視覚の追及を命題とした近代的な写真表現の、日本における最良の成果の一つと言えます。

 一方で、報道写真という新分野に取り組んだ木村は、印刷を媒体とするイメージの流通という、写真の社会的機能にきわめて自覚的だったという意味でも、近代写真のパイオニアとして重要な役割を果たしました。



2007年10月21日(日)23:06 | トラックバック(0) | コメント(0) | 気紛れ写真 | 管理

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