Cat Schroedinger の 部屋
 
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コーラス

「コーラス」を観ました。とても現実的で、渋い映画でした。

2004年/フランス映画
監督:クリストフ・バラティエ
出演:ジェラール・ジュニョ、フランソワ・ベルレアン、ジャック・ペラン、ジャン・バティスト・モニエ、マリー・ビュネル、ほか

ストーリー
 1949年、フランスの片田舎。“池の底”という寄宿舎に新たに赴任してきたマチュー。そこでは、親をなくした子どもや、素行に問題ある子どもたちが集団生活をしていた。

 子どもたちは心に問題を抱え、校長はそんな彼らに容赦ない体罰を繰り返していた。マチューは子どもたちに本来の純粋さ、素直さを取り戻してもらおうと、“合唱団”の結成を決意する。やがてマチューは、学校一の問題児ピエール・モランジュが素晴らしい歌声の持ち主であることを知るのだった…。

 「天使の歌声」と絶賛された少年ピエールを演じるのは3000人の候補者の中から選ばれた新人ジャン=バティスト・モニエ。本作の合唱を担当したサン・マルク少年少女合唱団でも実際にソリストを務めているという。

感想
 日本やアメリカ映画のように、それほどハッピーエンドにもなりません。盛り上がりもそれほどありません。なのにフランスでは「アメリ」を上回る興行成績だったそうです。

 どうしようもない子供達に対して、新任の音楽教師マチューは校長の厳罰主義に嫌悪感を抱きます。生徒をかばったりします。しかし彼は子供達に決してへつらうようなことはしません。ごく普通の常識的な温かい人です。

 なんとか生徒の気持ちになり、生徒の目線で物を見ています。生徒を一人の人間として扱おうとします。

 何よりも音楽を通じて、触れ合いを持とうとします。その結果が賞を取るだのと言った大成功にもなりません。単に音楽を通じ心が触れ合って、ほんの少し子供達が明るくなって、大人に対する憎悪みたいな物が薄れていく。
 
 現代の問題の子供とのギャップは、こんな形でしか得られないかと思いました。良くあるスポーツ物などのように、何かを通じてみんな努力して優勝して、問題児が急によい子になって・・・そんな風に行くわけがありません。そんなときの先生は、決まってとにかく人格者で、理想主義者で、生徒には極端に優しく、いつも生徒を信じ切っていて、どうかするとへつらっているような態度で・・・実際にはなめられるだけです。そう簡単にいきません。

 問題児はそんなに簡単に良き子にはなりません。けれど何か一点でも大人と触れ合うことが出来れば、それがきっかけとなり、理解となり・・・そんな気がしました。
 
 そんなところがフランスで評価されたのでしょう。



Mar.27.2007(Tue)22:58 | Trackback(0) | Comment(0) | 映画  ドラマ TV | Admin

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