朗読 |
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| 先日朗読の放送を聞いていたら、ふと中学の卒業間近の国語の授業のことを思い出しました。
中学3年生、確か残り2単位くらいしかなかった国語の授業でした。 国語の教科書は、文章が3つ位残っていました。一番最後に夏目漱石の「ぼっちゃん」が途中まで載っていました。
授業が始まるやいなや、この所を読むように指名されました。小学校の頃に既に読んだことがあるので、すらすら読み始めました。国語の教科書と言えば、いつもは硬い文章が多いのに、くだけた文章です。
普通はあるところまで読むと、せんせいが「そこまで!」と止めて、解釈に入ります。所が先生は止めません。今日は面白い話だし、単に朗読するんだと思い、ほんの少し抑揚をつけて、語り言葉の所は少しだけ話すように読みだしました。
先生は一向に止めません。恥ずかしいので、極端な抑揚はつけないよう注意しながらも、どんどん読みました。30分くらい読んだ頃でしょうか、先生が「疲れたか?」と聞きました。「いえ。」短く答え。とうとう最後まで45分くらいで読み切りました。
きっと、それほど上手に読んだわけでもないのですが、教室の生徒も初めての経験だったし、話に聞き入ってとても静かでした。
「このあとどうなるか知っているか?」と先生が聞いたので、 「教頭の赤シャツと喧嘩になって、先生を辞めることになります。」と得意げに答えました。
「そうだな、みんなも機会があったらこんな物も読むように・・・」 それで終業の鐘がなりました。
この時から朗読することに興味を持ちました。気に入った文章などがあると声を出して読んだりしました。
所が、所がなのです。
東京に行ったら、訛りがあることに気がつき愕然としました。普通に話すときは相手もそれほど気づかないのですが、朗読となるととたんにアクセントの違いが明確になります。 それで「アクセント辞典」「アナウンサー読本」などを購入しました。しかし単語のアクセントは直せるのですが、尻上がりの抑揚が治りません。
一度地方出身の有名なアナウンサーに、質問したことがあります。アナウンサーは私が「アクセント辞典」を持っていることに驚いていました。 抑揚について治す方法を聞いたら、それは東京出身のアナウンサーなどに、直接治して貰うのだそうです。しかし単語のアクセントが違っていなければ、それほど厳密にしなくても良いと言うことでした。
そんな慰めを聞いても、何の解決にもなりません。それからかなり努力して、注意すれば何とか読めるようになりました。
けれど今でも時々尻上がりになって、終止型で話したのに、疑問型と勘違いされることがあります。
ちょっとした講演は結構得意ですが、朗読するのはとても苦手です。
石坂浩二や、江守徹、広瀬修子などの朗読を聞くと、内容に関係なく聞き惚れます。
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Mar.29.2007(Thu)23:45 | Trackback(0) | Comment(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | Admin
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