戦場のピアニスト |
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| 少し前の映画ですが、「戦場のピアニスト」を観ました。
ロマン・ポランスキー監督 エイドリアン・ブロディ、トーマス・クレッチマン
2002年のカンヌ映画祭において『戦場のピアニスト』は、パルムドールに輝きました。
幼少時代をナチス占領下のポーランドで過ごしたポランスキー監督が、ユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)の自伝を映画化するに相応しい人物です。
ナチスのワルシャワ侵攻を目の当たりにし、死の収容所送りを奇跡的に逃れたシュピルマンは、多くの人の助けや、ゲットーの廃墟に身を隠すことで第二次世界大戦を生き延びました。ナチスのホロコーストを映画化したこれまでの作品とは異なり、主人公の視点か一人称で描かれています。
シュピルマンが希望を捨てずに粘り強く生き延びます。彼はレジスタンス活動で死んでいく友人などを目の前にしながらも、いわば見捨てるようにして生き延びます。
この映画のすばらしさは一人称で描かれていることです。ユダヤ人がいつの間にか居住区を限定され、少しずつ巧妙に閉じこめられ、訳もわからないうちに列車に乗せられる恐怖が淡々と流れます。
戦争もきっと一人称で見れば、あのように何が何だかわからないうちに周りからそうなっていくのだと思わされました。巧みな政策、差別から、反対する暇も何もないまま追いやられていった人たちが、実にリアルに描かれていていました。情報といえば、新聞報道と、ラジオ、後は噂だけ・・実に恐ろしいことです。個人から見た戦争とはあのようなものだったのでしょう。
映像もスケールも大きいのですが、細部までとてもリアルで、その意味でもすばらしい映画でした。
観ておかなくてはいけない映画の一つと、言えます。
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2006年4月23日(日)23:27 | トラックバック(0) | コメント(0) | 映画 ドラマ TV | 管理
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