暮らしの手帖から |
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| 今月発売の「暮らしの手帖 20号」の中の記事に、こんなのがありました。 96ページ
「肥後守は何のカミ」 小さな小刀の「肥後守」の名前の不思議を述べた面白い話しでした。その一部を書きます。
紀伊国屋文左衛門と聞いたときのそれ、と言いかえてもいいかもしれない。なぜ「きいくにや」でなく「きのくにや」なのか。「伊」を「の」と読むなどという暴挙が許されるのなら、・・・・中略
でもそれなら OFTEN はなぜ「オフトゥン」ではなく「オフン」なのか?・・・
ここが問題です。OFTEN は「オフトゥン」とも発音します。辞書にも載っています。(キッパリ) 英国では上流の人たちは「オフトゥン」と発音します。あるイギリス人夫婦に尋ねたことがあります。 奥さんに聞くと「そんな発音する人は、BBCのアナウンサーだけと、イギリス王室の人たちだけよ!」と言い切りました。 ご主人に聞くと「もちろんそう発音します。」とこともなげに言いました。
奥さんはアイルランド出身の方ですが、とても綺麗な英語を使われます。 ご主人はロンドンのごく近くの出身で、パブリックスクール出身のエリートです。 というように「オフトゥン」は上流の人たちが使う発音なのです。
この問題の文章の著者は翻訳業だそうで、情けない話です。そこで「暮らしの手帖」編集部にご注意の電話を入れました。辞書を見るように言うと、「あっ、ありますね~」その後何の返答もありません・・・(笑)
文章全体は面白いのですが、日本語の特徴をよくご存じないようです。もともとの大和言葉に、漢字を当てはめたことによって、日本語には音読みと、訓読みという一つの文字に、全く違う読み方が出来てしまったのです。 日本語は大昔から日本にあったのですが、日本人は文字を持っていなかったのです。そこに漢字が入ってきて、それを使うことにしました。所が日本にはもともとの大和言葉がありました。そこで大技を使ったのです。例えば山という文字は中国語では「サン」あるいは「セン」であるけれど、大和言葉では「やま」というからこの字を、「やま」と呼ぶことにしたのです。もしこのとき中国語で無く、英語が入ってきていたら、mountain を訓読みでは「やま」と、音読みでは「マウンテン」と発音していたことでしょう。
さらに文字が入ってきた当初は、全くの当て字だったのです。ですから万葉集の原文は、漢字の音だけが使われていて、個々漢字の意味は全くありません。 この著者も、このような歴史認識の上で、書いてもらいたかったな~~と思うしだいです。作者も「漢字と日本人」高島俊男:文春新書 などを一度読んでみてはと思います。
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2006年1月25日(水)22:06 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理
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