Cat Schroedinger の 部屋
 
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イゴールの約束

先日観た「ロゼッタ」に引き続き、ダルデンヌ 兄弟監督の映画を観ました。

「イゴールの約束」
監督 ルック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ 製作 1996年 ベルギー
出演 ジェレミー・レニエ、オリヴィエ・グルメ

あらすじ
 違法な労働者にアパートや仕事を斡旋している父親と、父親の仕事を手伝いながら、自動車修理の仕事もしている息子のイゴール。イゴールにとって父親は絶対の存在で、日ごろの行動からしぐさ、もそっくりです。考え方もモラルも全て父親のコピーでした。
 そこへアフリカ系の不法移民の夫婦と子供が来ます。神を信じるこの親子にイゴールは一寸興味を抱きます。ある日その一家の父親が事故で屋根から落ちて、重傷を負います。イゴールは助けようとしますが、イゴールの父は面倒を恐れ治療もしないで、死なせてしまいます。死の間際に、その父親は妻と子供のことをイゴールに託します。
 父親の目を盗んで、何かと面倒を見ます。ドイツへ売り飛ばそうとする父親に背いて、この母親と子供をかくまいます。この母親の親戚が居るイタリアへ送ろうとするのですが、夫を心配するこの母親に最後の最後で、死んでしまったことを告白します。

感想
 ロゼッタのときと同様、やはり音楽が非常に少ない映画です。ラジオを付けていたり、酒場で歌ったりするとき以外、音楽は流れません。

 始まりからイゴールはお客の財布を盗んだりします。全くモラルも何にも無く、時には違法労働者を警察に売ったりする、お金の亡者の親父とそっくりです。観ている方も、嫌になるくらいモラルの無いえげつない子供として描写されます。

 所がわけのわからない宗教を信じている、アフリカからの不法移民の親子3人に興味を抱きます。事故をきっかけに、何かしらイゴールの中に良心のようなものが目覚め、絶対であった父親に背き、父親からの自立が見事に描かれていました。

 救いの無い生活から、最後には何か希望が見えてくるような、そんな筋立ては特に凝ったものではありませんが、実にリアルでした。



2005年12月29日(木)23:32 | トラックバック(1) | コメント(0) | 映画  ドラマ TV | 管理

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