江戸時代の時刻 「時そば」 |
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| 「時そば」
往来で屋台の蕎麦屋を呼び止めた男。看板、割り箸、丼、出汁、そばなど、すべて褒めちぎり、「いくらだい? 16文、銭は細かいよ~、手出しね~、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、今何どきだい?」「九つで・・・」 「とお、十一、十二・・・」と上手く一文ごまかした。 これを見ていた別の男、俺もやってみようと、あくる日細かい銭を用意して、少し早めに別の蕎麦屋を見つけて、まねをして誉めようとするのだが、看板はひどい、丼は欠けている、出汁はまずい、そばはひどいといった具合、勘定を払う段になって、「一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、今何どきだい?」「へえ四つです。」「五つ、六つ、七つ・・・」
「今何どきだい?」は当時時間を聞く言葉です。江戸時代は時間を表すのに二通りあって、子(午前0時)、丑(午前2時)、寅(午前4時)・・・という言い方。
もう一つは夜明けを明け六つと言い、二時間ごとに五つ、四つと言います。三つにはならなくて、お昼は昼九つになって、現代の2時頃には八つになります。おやつの時間はここから来ています。現代の4時頃は七つ、日の入りの6時頃には暮れ六つとなります。その次はまた宵五つ、四つ、で深夜0時には九つになります。その後明けまで八つ、七つとなります。
先の上手く一文ごまかした人は、九つですから深夜0時頃です。 後の損した人は、22時頃です。
酔っ払ってタクシーなどに乗って、お金払うとき「運ちゃん、細かいよ~間違うといけないから、百円、二百円・・・今何どきだい?」「はい、午前3時ですね~」四百、五百、六百・・・」とふざけた方もあるかと思いますが、時間がかかって迷惑ですね。
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2005年9月15日(木)00:45 | トラックバック(0) | コメント(0) | 落語 | 管理
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