Cat Schroedinger の 部屋
 
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チャングムの誓い 第36話「誤診」 その2

医女(いじょ)下級階層の役職のひとつ。 簡単な医術を学び、医者の手伝いをする女性。

 韓国では女性が病気になっても男性に身体を診せることは、大変恥ずかしい事とされていたので、医者に診せないで病気を悪化させる人も多く、女医制度が作られました。人の身体に触れることは卑しい仕事とみなされ、医女は下層階級の仕事でした。もちろん正式な医者もいたのですが、女性の診察は医女がしていました。
 
 当時の医療は中国の影響を受け、漢方医療でした。診察は問診、顔色、触診など西洋医学と同じ所もありますが、特徴は脈診と舌の診察です。特に脈診は強い脈、普通の脈、弱い脈を区別し、細分化されてます。その習得は実に困難でした。患者を実症、間症、虚症と大まかに分類し、同じ症状でもそれぞれに違う漢方薬を処方します。その他の治療は針灸です。中でも漢方薬と針による治療は、現代の医学から見ても、素晴らしいものがありました。当時の世界の医学水準からすると、漢方は世界一でした。
 
 例えば経口のホルモン剤が可能になったのは、ごく最近です。所が漢方薬には服用すると血中のホルモンが上昇する物があります。これはとても凄いことで、現代でも解明されていません。
 現在では漢方薬が、西洋医学が苦手とする、比較的慢性の疾患に使われているためと、作用が穏やかな薬が使われているため、漢方薬は副作用が無いように思われがちですが、もちろん重大な副作用もあります。また急激な作用の薬もあります。

 針による治療は針麻酔だけが知られていますが、穿刺による排泄など、現代の医療と同じものがたくさんあります。
 
 今回のドラマの中で問題になったのは双胎妊娠、流産でした。

 病気の中で、妊娠は西洋医学の中でも、特徴的な一般には無い症状を示します。妊娠中は病気でもないのに、熱が上がり、臨床検査でも炎症があるような所見を示します。ですから医師は若い女性(若いと限らない)を診察するときは、必ず妊娠を頭に入れておかないと、診断を誤ることがあるあります。「女性を見たらまず妊娠を疑って」というのは、医師がまず始めに習う言葉です。

 当時世界で女性の医者が活躍したのは珍しいことで、現代にもその傾向は引き継がれ、韓国では女医の活躍が目立ちます。特に産婦人科では、男性医師より女医に診察を受ける方が多いようです。また現在でも韓国では中国と同様、漢方による治療がとても盛んです。
 



2005年6月24日(金)23:50 | トラックバック(1) | コメント(0) | 映画  ドラマ TV | 管理

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