迢迢牽牛星 |
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| 今日は七夕です。七夕と言えばいつもこの漢詩を思い浮かべます。
南朝梁の昭明太子によって編纂された詩文集「文選(もんぜん)」の中に収録されている漢の時代(今から約2000年前)に詠まれた「古詩十九首」
http://catschroedinger.btblog.jp/cl/0/1/2010/7/7/
古い漢詩なので繰り返す漢字が多いのですが、最後の「脈脈(みゃくみゃく)として語(かた)るを得(え)ず」の言葉が好きです。
中国では二人は永久に会えない話だったようです。それが一年に一度会える話に変わっていったようです。
晩唐の詩人杜 牧(と ぼく、803年(貞元19年) - 853年(大中6年))作の七言絶句「秋夕(しゅうせき)」も名歌です。
(白文) 秋夕 銀燭秋光冷畫屏, 輕羅小扇撲流螢。 天階夜色涼如水, 坐看牽牛織女星。
(訓読体) 秋夕 銀燭(ぎんしょく)秋光(しゅうこう) 畫屏(がへい)冷(ひや)やかなり 輕羅(けいら)の小扇(しょうせん) 流螢(りゅうけい)を撲(う)つ 天階(てんかい)の夜色 涼(すずし)きこと水の如し 坐(そぞ)ろに看る 牽牛織女星
(口語訳) 秋の宵 秋の夜の白い蝋燭のともし火は 屏風を冷やかに照らしている 宮女が薄絹の小さな扇で 闇に飛び交う蛍を撲って無聊を紛らわせている 宮殿や天上界の階段の夜の景色には 水のような涼しさを感ずる 七夕を一人で過ごす宮女は 年に一度は会えるという牽牛織女星をそぞろに見ている
杜牧はとても好きな晩唐の詩人で、杜甫の「老杜」に対し「小杜」と呼ばれます。なぜだか「唐詩選」には1編も選ばれていません。漢詩には珍しくん恋愛を歌った詩も多いのが特徴です。
若いころは妓楼から通勤していたそうです。
「清明」「江南春」「遣懐」「赤壁」「泊秦准」などが代表作です。 「張好好詩」の歌はどこにも無くて、「詩詞世界のブログ」作っておられる 「碇豊長」さんにお願いし、文献を探していただき訳までしてくださりました。
大変な長文ですが、「碇豊長」さんのサイトで見られます。http://www5a.biglobe.ne.jp/~shici/rs97.htm
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2020年7月7日(火)19:47 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理
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