マカン・マラン |
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| 「マカン・マラン」
著者:古内 一絵
読みかけだったのですが、3冊とも読み切りました。
少し裏日れた商店街の裏路地にあるドラッククイーン(主としてゲイの人が女性らしく化粧したり、着飾ること)のしゃールと名乗る元エリートが営業している夜食レストランの話です。
料理の話が多くて読み切るのに苦労しましたが、本題はこのレストランに来る様々な悩みを持った人達との関わりを描いた話です。
描写が巧みで、悩む人達の生活が見事に描かれていていました。筆者が体験したり、こまめな取材をしたと思わせる詳細な描写は真実味がありました。小説でも映画でも本筋以外にリアルであることはとても大事です。
ただ何話にもなっていて、その都度同じ説明や、同じ描写が出てくるので、一冊の本にするなら再編集した方が良かったと感じました。
第3巻「きまぐれな夜食カフェ マカン・マラン みたび」の第3話「風と火のスープカレー」は悩む女性と、ドラッククイーンのシャールの関係が明らかになる見事な設定に感動しました。
まるで3冊の本の総括のような話でした。
どうしてこの話が3冊目に来たのか、初めから設定されていたのでしょう。
少し描写などもたつき、やや女性向きですが素晴らしい本でした。
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2018年6月22日(金)21:04 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理
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