Cat Schroedinger の 部屋
 
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2017年1月30日を表示

洋菓子店コアンドル

 パティシエの話です。

監督:深川栄洋

出演者:江口洋介、蒼井優、江口のりこ、尾上寛之、粟田麗、山口朋華、戸田恵子

あらすじ:
 東京でも一流の洋菓子店コアンドルへ恋人に会いに来たてきた「なつめ」(蒼井優)は、恋人が既に店を辞めていて行方不明だと知らされます。

 彼を捜すために実家がケーキ屋なので、この店で働かせて貰うことになります。自信満々のなつめでしたが、試しに作ったケーキは、オーナーの依子(戸田恵子)からも、評論家の十村(江口洋介)からもぼろくその評価でした。

 コアンドルのケーキを食べたなつめはその美味しさに魅了され、腕を磨こうと頑張り始めます。

 オーナーの依子が晩餐会の仕事を取ってきたその日、大けがを負い晩餐会の仕事もダメになり、店も一時閉めることになります。

 なつめは伝説にもなっている、かって名パティシエであって、今はケーキを作っていない評論家の十村に応援を頼みに行きます。彼がケーキを作れない事情を知りながら、無鉄砲ななつめは強引に頼み込みます。



感想:
 主人公の「なつめ」は身勝手で、負けん気で、自信満々で、しかも先輩のマリコ(江口のりこ)にも平気で生意気な口をききます。

 このマリコを演じる江口のりこの演技が絶品です。顔立ちも、態度も実に素晴らしくハッピーエンドになると思いながらもリアリティーを感じさせます。

 恋人が辞めたのも、「おまえがいじめたんだ!」と言う科白は、思った事をそのまま口に出すなつめはどうしようもない性格です。

 恋人との再会の場面でも思いこみがひどく、見事に振られます。滑稽と思えるほどの思いこみと、自己中心的な考えの主人公です。こんな嫌な性格だけれども、素朴で九州弁丸出しの素朴な役を、嫌な人に感じさせない蒼井優の演技も見事です。

 初めキザな男と思わせた、江口洋介が演じる伝説のパティシエであった評論家の十村は、心に傷を負っていて繊細な人でした。無神経ななつめとの絡みも見事でした。

 嫌な人を演じるのはたやすいけれど、嫌な人なのに何処か憎めない人を演じるのはとても大変です。

 この映画は主人公がケーキ作りが上手くなる単純な話でなく、少人数の世界で人との関わりを見事に表現していて超お奨めな映画です。

 



2017年1月30日(月)23:16 | トラックバック(0) | コメント(0) | 映画  ドラマ TV | 管理


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