Cat Schroedinger の 部屋
 
                        雑談の部屋です。
 



2016年7月9日を表示

七夕の漢詩

 昨日の「迢迢牽牛星」は有名な漢詩です。
  http://catschroedinger.btblog.jp/cm/kulSc29c74C34B3DA/1/


 七夕と言えば杜牧の有名な漢詩があります。

 中国では七夕は早秋の行事でした。牽牛星と織女星の伝説は古くからあったようです。漢の時代には牽牛星よりも織女星の方に重点が置かれ、恋に悩む女性のイメージでした。

 杜牧の描いた「秋夕(しゅうせき)」は宮殿の奥深く愛を失った宮女の憂いを歌っています。

秋夕 (しゅうせき)    杜牧
 銀燭秋光冷畫屏,
 輕羅小扇捕流螢。
 天階夜色涼如水,
 臥看牽牛織女星

読み方
銀燭の秋光(しゅうこう) 画屏(がへい)冷ややかなり
軽羅(けいら)の小扇(しょうせん) 流蛍(りゅうけい)を撲(う)つ
天階(てんかい)の夜色 涼(りょう)水の如し
臥して看る 牽牛織女星(けんぎゅうしょくじょせい)

意味
 精製された白いロウソクで照らし出された秋の光が、絵屏風に冷たく照り映え、
 宮女がひとりうすい絹の 団扇(うちわ)で螢をうち捕まえました。
 天上の夜空のようすは、水のように涼しくみえて、その宮女は寝ながら牽牛(けんぎゅう)星と織女(しょくじょ) 星をみつめつづけてばかりいる。


 また七夕には「乞巧(きつこう)」と言う行事がありました。若い女性が庭に机を出してお供えをし、針に糸を通して月に向かって裁縫の上達を願う行事です。もちろん織女に因んだ行事です。

 乞巧奠 (キコウデン)
 7月7日の行事。女子が手芸・裁縫などの上達を祈ったもの。もと中国の行事で、日本でも奈良時代、宮中の節会(せちえ)としてとり入れられ、在来の棚機女(たなばたつめ)の伝説や祓(はら)えの行事と結びつき、民間にも普及して現在の七夕行事となった。

林傑の「乞巧(きつこう)」という漢詩もあります。



七夕今宵看碧霄
牛郎織女渡河橋
家家乞巧望秋月
穿尽紅糸幾万条


読み方
七夕 今宵 碧眼を看れば
牛郎と織女は河橋を渡る
家家 乞巧して秋月を望み
穿ち尽す 紅糸幾万条



2016年7月9日(土)00:43 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理


(1/1ページ)