七夕の漢詩 |
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| 昨日の「迢迢牽牛星」は有名な漢詩です。 http://catschroedinger.btblog.jp/cm/kulSc29c74C34B3DA/1/
七夕と言えば杜牧の有名な漢詩があります。
中国では七夕は早秋の行事でした。牽牛星と織女星の伝説は古くからあったようです。漢の時代には牽牛星よりも織女星の方に重点が置かれ、恋に悩む女性のイメージでした。
杜牧の描いた「秋夕(しゅうせき)」は宮殿の奥深く愛を失った宮女の憂いを歌っています。
秋夕 (しゅうせき) 杜牧 銀燭秋光冷畫屏, 輕羅小扇捕流螢。 天階夜色涼如水, 臥看牽牛織女星
読み方 銀燭の秋光(しゅうこう) 画屏(がへい)冷ややかなり 軽羅(けいら)の小扇(しょうせん) 流蛍(りゅうけい)を撲(う)つ 天階(てんかい)の夜色 涼(りょう)水の如し 臥して看る 牽牛織女星(けんぎゅうしょくじょせい)
意味 精製された白いロウソクで照らし出された秋の光が、絵屏風に冷たく照り映え、 宮女がひとりうすい絹の 団扇(うちわ)で螢をうち捕まえました。 天上の夜空のようすは、水のように涼しくみえて、その宮女は寝ながら牽牛(けんぎゅう)星と織女(しょくじょ) 星をみつめつづけてばかりいる。
また七夕には「乞巧(きつこう)」と言う行事がありました。若い女性が庭に机を出してお供えをし、針に糸を通して月に向かって裁縫の上達を願う行事です。もちろん織女に因んだ行事です。
乞巧奠 (キコウデン) 7月7日の行事。女子が手芸・裁縫などの上達を祈ったもの。もと中国の行事で、日本でも奈良時代、宮中の節会(せちえ)としてとり入れられ、在来の棚機女(たなばたつめ)の伝説や祓(はら)えの行事と結びつき、民間にも普及して現在の七夕行事となった。
林傑の「乞巧(きつこう)」という漢詩もあります。
七夕今宵看碧霄 牛郎織女渡河橋 家家乞巧望秋月 穿尽紅糸幾万条
読み方 七夕 今宵 碧眼を看れば 牛郎と織女は河橋を渡る 家家 乞巧して秋月を望み 穿ち尽す 紅糸幾万条
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2016年7月9日(土)00:43 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理
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