Cat Schroedinger の 部屋
 
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2011年12月29日を表示

福島原子力事故調査 中間報告書

 福島原子力事故調査 中間報告書が公表されました。

 新聞報道だけでなく、原文もかなり丹念に読みました。

 これから判ったことは、今回の事故は完全に人災と思いました。設計も安全を信じ込んで、事故の時に対応できる設計をしてこなかったのは明らかです。事故の時も想定していなかったので、どのようにして良いか、どうすべきかを判っていた人は皆無でした。

 仮に津波を想定していなかったとしても、基本の設計通りに対応していれば、たぶん今回の事故は避けられた可能性が高かったようです。

 本来の設計はいろんな意味で、何重にも安全な設計が求められていました。しかし東電は形ばかりのベント工事をしていました。同様に津波についても、指摘があったのに全く想定すらしていませんでした。というか費用がかかるからしなかったとしか思えません。

 原子力発電については、反対か賛成かしか無くて、少しでも批判的な意見を言えばたちどころに排除されてしまう構造が出来上がっていました。冷静に安全に対する議論が、出来なかったことも、とても不幸でした。

 リコーの問題でも明らかなように、日本の社会では組織への従属性が強く、下から上へ批判的な意見が通りにくい社会です。その代わり上からに指示には、疑問があっても現場で工夫して頑張る利点もあります。

 武田邦彦氏は原子力発電は素晴らしい技術ではあるし、むやみに反対では無いが、日本のような地震国では有る程度の危険があること、それに対し現場の意見が全く通らないのでは、ソフトウエアー的に日本の国では原発を持つことは出来ないのではとの意見でした。

 国会の論議を見ていても、まともな論議を見ることは稀です。結局日本人はまだまだ議論が苦手で、原発のような完成していない技術を持つことは出来ないのではと言う気がします。

 たとえば廃棄物を捨てる所さえ決められないのです。除染、除染といっていますが、仮置き場を検討している始末で、最終的にどこに置くかも決められません。技術はあっても、明らかに原発を持つ技量が無い国なのです。

 技術は一流、政治は三流。これでは安全な原発はとうてい望めません。



2011年12月29日(木)23:29 | トラックバック(0) | コメント(0) | 今日の出来事 | 管理


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