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2010年2月14日を表示

「おとうと」

 「おとうと」

 監督・脚本:山田洋次
 出演:吉永小百合 笑福亭鶴瓶 蒼井優 加瀬亮 小林稔侍

あらすじ
 早くに夫を亡くした吟子は、東京の私鉄沿線の一角で、小さな薬局を女手一つで切り盛りしながら娘の小春を育て、義母の絹代と3人で暮らしていた。

 小春とエリート医師の結婚が決まり、一家は幸せの絶頂にあった。そして結婚式当日。和やかに始まった披露宴に、にわかに暗雲が―吟子の夫の13回忌で大暴れしたのを最後に、音信不通になっていた吟子の弟・鉄郎が紋付き袴で現れたのだ。goo映画より

感想
 とても良くできた映画でした。 
 亡くなった吟子の夫が言った言葉に「長男、長女、次男のなかで、出来の悪い弟を踏み台にして来たような所があるのでは・・だから姪の名づけ親に成って貰って、弟に花を持たせてあげるようにしよう」
 この言葉通り、鉄郎は生涯美人で出来の良い姉と、その子供の小春を自慢しています。そして殆ど誉められたりしたことのない鉄郎にとって、名づけ親であることは、とても名誉な事だったのです。
 鉄郎は厄介な親戚ですが、それほど単純で、憎めない弟なのです。関西では姉のことを「ねえちゃん」と呼ぶのはそれほど不自然なことではありません。しかし東京では品がなく、少し子供じみた言葉に聞こえます。

 吉永小百合は若い頃より自然な演技で素晴らしい出来でした。前評判ほど小春役の蒼井優は悪くありませんでした。かなり良く演じていたと思います。映画の流れからすると、小春の二回目の恋愛は詳しく描く必要はなかったと思います。やや中だるみを感じました。鉄郎役の笑福亭鶴瓶は上手すぎるというか、地の演技とさえ思えました。

 鉄郎の入院した施設の、スタッフが関西弁でないのには不自然さを感じました。吉永小百合も、鉄郎と話すときは関西訛りを入れた方が良かったと思います。関西人の鉄郎にとって、吉永小百合の完璧な東京弁は、少し冷たく聞こえます。

 言葉に関しては監督の配慮が足りないと思いました。

 



2010年2月14日(日)23:33 | トラックバック(0) | コメント(0) | 映画  ドラマ TV | 管理


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