啄木の 「雨」 |
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| 雨降れば わが家《いへ》の人|誰《たれ》も誰も沈める顔す 雨|霽《は》れよかし
たんたらたらたんたらたらと 雨滴《あまだれ》が 痛むあたまにひびくかなしさ
雨に濡れし夜汽車の窓に 映《うつ》りたる 山間《やまあひ》の町のともしびの色
雨つよく降る夜の汽車の たえまなく雫《しづく》流るる 窓硝子《まどガラス》かな
ふと見れば とある林の停車場の時計とまれり 雨の夜《よ》の汽車
石川啄木「一握の砂」より
いつしかに夏となれりけり。 やみあがりの目にこころよき 雨の明るさ! 「悲しき玩具」より
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2009年7月28日(火)23:22 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理
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