Cat Schroedinger の 部屋
 
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2009年5月9日を表示

赤壁

 赤壁が映画で有名になりました。内容は映画の通りですが、この戦いを歌った詩の中で、一番有名なのは、蘇東坡の「赤壁の賦」です。

 「壬戌の秋、七月既望、蘇子客と舟を泛べて、赤壁の下に遊ぶ。清風徐に来りて、水波興らず。・・・・」は学校などで習った人も多いでしょう。とても長い詩です。冬にも訪れて、歌ったので、「前赤壁の賦」と「後赤壁の賦」があります。


 杜牧も「赤壁」を歌っています。こちらは杜牧らしく、戦争の悲惨さなどより、女性のことを心配しているような詩になっています。

 「赤壁」
           杜牧

折戟沈沙鉄未銷
自将磨洗認前朝
東風不与周郎便
銅雀春深銷二喬

読み
折戟沙(せつげきすな)に沈んで鉄未だ銷(しょう)せず
自(みずから)から磨洗(ません)を将(も)って前朝(ぜんちょう)を認む
東風周郎(とうふうしゅうろう)が与(ため)に便(べん)ぜ不(ず)んば
銅雀春深(どうじゃくはるふか)くして二喬(にきょう)を銷(とざ)さん

意味
折れた矛の断片は砂に埋もれ錆びていない
洗って磨いてみるとまさしく前王朝の遺物
若しあの時東風が吹いて周瑜に味方しなければ
喬家の二人の美女は、曹操の女にされてしまい、銅雀台の宮殿に閉じこめられ、寂しい春を過ごした事だろう。


 *周郎は呉の武将周瑜 郎は敬語
 *二喬は呉の喬玄の二人の娘。共に絶世の美女で、姉(大喬)は孫策に嫁ぎ、妹(小喬)は周瑜に嫁ぎました。



2009年5月9日(土)23:27 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理


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