Cat Schroedinger の 部屋
 
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2009年5月5日を表示

メゾン・ド・ヒミコ

 何の知識もなく、ふと見た映画でした。いきなり「性同一性障害」の話でビックリしました。
 
「メゾン・ド・ヒミコ」

オダギリ ジョー (岸本春彦)
柴咲コウ (吉田沙織)
西島秀俊 (細川専務)
歌澤寅右衛門 (ルビイ)
青山吉良 (山崎)

あらすじ
 塗装会社の事務員として働く吉田沙織(柴咲コウ)、24歳。ある事情で借金を抱え、夜はコンビニでバイトをしているが、いっそ風俗で働こうかと思い悩んでいる。専務の細川(西島秀俊)が気になっているが、彼は同僚のエリナと不倫中だった。

 ある雨の日、沙織のもとに若く美しい男が訪ねてくる。名前は岸本春彦(オダギリ ジョー)。彼は、幼い沙織と母を捨てて出て行った父親の恋人だった。沙織の父・吉田照雄(田中泯)は妻子の元を離れた後、ゲイバー「卑弥呼」の二代目を継いだが、今は神奈川県大浦海岸の近くにゲイのための老人ホームを創設。その館長を務めているらしい。

 春彦は、その父が癌で余命いくばくもないと告げ、ホームを手伝わないかと沙織を誘う。父を嫌い、その存在を否定して生きてきた沙織だったが、破格の日給と遺産をちらつかされてその申し出を承諾する。西欧のリゾート風プチ・ホテルを改装したホーム“メゾン・ド・ヒミコ"には、個性的な住人ばかりがいた。生まれ変わったらバレリーナと相撲部屋の女将になることを夢見る陽気なニューハーフ・ルビイ、洋裁が上手く女性的で心優しい山崎、元・小学校の教員で今は将棋が趣味の政木、ホームのパトロンの元・部下で、家庭菜園に精を出す木嶋、ギターがうまく背中には鮮やかな刺青を入れている高尾、ゲイバー「卑弥呼」の元・従業員でTVドラマに夢中なキクエ、春彦と一緒に老人たちの面倒をみているいつも元気なチャービー。みんな明るく沙織を迎え入れてくれるが、実の父・卑弥呼は娘との予期せぬ再会に戸惑い、沙織はその場所すべてに嫌悪感を抱く。

 日曜日ごとに沙織はホームに出向き、最初は奇妙な住人たちと距離を保っていたが、彼らの底抜けに明るい日常とその裏側に隠された孤独や悩みを知るようになる。少しずつ心を開いてゆく沙織だが、平穏な日々に陰りが見え始める。ホームに資金を提供していた半田社長が脱税容疑で逮捕されて援助が絶たれ、ルビイが脳卒中で倒れる。介護費用を割こうものなら、ホームは閉鎖に追い込まれる。愛する人が作ったホームの存続を願う春彦に対し、卑弥呼は冷ややかに閉館を口にする。その無責任な父の態度に、沙織は怒りを爆発させる。沙織の借金は、3年前に癌で死んだ母の入院費用と手術費で背負ったものだったのだ。母と自分を捨てたように、父は今度は老人たちを捨てようとしている。父への不信感を強めた沙織だったが、ラウンジである写真を見つける。それは、最盛期のバー「卑弥呼」にいる母の写真だった。

感想
 親子の愛情とか、家族との関係とか、ゲイの人達の苦しみが描かれていました。父であるヒミコが母の写真を大事にしており、理解し合っていたことがある程度の理解となっていますが、親子は最後まで完全に理解し合えないところが残念でした。

 臨終の時の会話で、現代では精神を直すことは不可能な不治の病であること、DNA の異常、胎児期あるいは幼児期のホルモンの影響など、少なくとも本人の責任ではないことを理解させるべきと、歯がゆく思いました。映画監督なら啓蒙のためにも、少なくとも本人の責任ではないこと、家族との難しい関係などを語らせるべきです。あれでは障害者の不幸を描いているだけとも言えます。

 性同一性障害が完全には理解されていないと感じました。性同一性障害は病気なのだから、差別してはいけないのです。生理的に嫌うことは仕方ありませんが、受け入れるように努力すべきです。文化程度が低かった時代は、身体障害者を馬鹿にしたように、性同一性障害のひとを馬鹿にしているのは文化程度が低いとさえ言えます。

 アメリカ、ヨーロッパにはいわゆる「おかまバー」などは殆どありません。この形が良いとは思えませんが、日本にこの様な仕事があることは「性同一性障害」の人にとってある程度の救いになっているといわれています。しかし女性でありたいのに、時々男性らしさを出して笑いを取ったりしているのは、仕事とはいえ世間の「性同一性障害」に対する理解を遠ざけているようにも思います。

 以前この様な「おかまバー」の人達と真面目な話をしたことがあります。プライベートでは全くの女性であること、男性らしさを出さないと全く仕事にならないと言われました。辛い仕事ですねというようなことを言ったら、でも女装して仕事になるのは嬉しい面もあると言われました。う~~ん複雑・・・・

 そういえばタイは「性同一性障害」の人達にとても寛容な国として知られていますが、僧侶のハーフの人達が、あまりにも女性っぽい身なりをするのが問題になっているとニュースにありました。

 環境ホルモンなど、今までは無害と言われていた、極、極微量のホルモンが、胎児に影響するとの報告もあります。少子化との関係も言われています。

 



2009年5月5日(火)23:55 | トラックバック(0) | コメント(0) | 映画  ドラマ TV | 管理


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