Cat Schroedinger の 部屋
 
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2009年4月7日を表示

春の日に酔い 起きて志を言う

 名詩メルマガから送られてきた今月の漢詩です。

「春の日に酔い起きて志を言う」   李 白
世に處るは大夢の若し
胡爲ぞ其の生を勞せん
所以に終日醉い
頽然として前楹に臥す
覺め來って庭前を盼むれば
一鳥花間に鳴く
借問す此れ何れの時ぞ
春風流鶯に語る
之に感じて歎息せんと欲し
酒に對し還た自から傾く
浩歌して明月を待ち
曲盡きて已に情を忘る

<読み方>
はるのひによい おきてこころざしをいう   りはく

よに おるは たいむのごとし
なんすれぞ そのせいを ろうせん
ゆえに しゅうじつ よい
たいぜんとして ぜんえいに ふす
さめきたって ていぜんを ながむれば
いっちょう かかんに なく
しゃもんす これ いずれの ときぞ
しゅんぷう りゅうおうに かたる
これに かんじて たんそくせんと ほっし
さけにたいし また みずから かたむく
こうかして めいげつを まち
きょく つきて すでに じょうを わする

<漢詩原文>
春日醉起言志  李白

處世若大夢  
胡爲勞其生  
所以終日醉  
頽然臥前楹  
覺來盼庭前  
一鳥花間鳴  
借問此何時  
春風語流鶯  
感之欲歎息  
對酒還自傾  
浩歌待明月  
曲盡已忘情  

<通釈>
 この世に生きている、ということは言ってみれば胡蝶の夢のようなもの、だから何もあくせく苦労することなどないさ。
 一日中酔っぱらって縁側に寝ている方がまだ増しというものだ。
 ふと酔いが覚めて庭先に目をやると、一羽の鳥が花の間で鳴いている。
 今はどんな季節かと尋ねてみると、春風が鶯に語っている「今は春真っ盛りだよな~」と。
 それに感じ入って溜息をついては又、手元の酒を傾ける我れ。
 名月が出るのを歌を歌いながら待っていたが、曲も尽きて何もかも忘れるほどにまた酔いがまわって来た。

 李白は最もロマンティックな詩人といわれています。彼の一生は豪快そのもので、何者にもとらわれることなく、自由と酒を愛した人です。杜甫と並び称され、杜甫は詩聖、李白は詩仙と呼ばれています。



2009年4月7日(火)00:01 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理


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