Cat Schroedinger の 部屋
 
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鉄道員裏物語

鉄道員裏物語
大井 良著
出版 : 彩図社

 第1章 「鉄道員の事件簿」冒頭からいきなり人身事故の話で、やや戸惑いました。「人身事故の処理は誰がやっているのか?」人身事故処理の風景やチカン逮捕の現場、変なお客などを扱っており、総体的に面白い内容になっています。

 第2章「誰も書かなかった鉄道の秘密」では、乗務員のトイレ事情や電車に飛び込んだら幾らかかる?
「電車を停めると、1億円を請求されるというのは本当なのか?」
「コインロッカーの忘れ物にはどんなものがあるのか?」
「駅で放送している声ってなんで変なのか?」
「鉄道員の給料」運転手はやっぱり高給取りのようです。

 第3章「世にも奇妙な鉄道の世界」では、鉄道員の生態や鉄道事故のカラクリ、さらには政治と鉄道の関係、現場と本社の意識の違いなど、問題点も挙げています。

感想
 読み始めは少しわざとらしい文章で、戸惑いました。しかし内容はリアルで、演出っぽいところは微塵もありません。表紙はちょっと下品ですが、実際は内容のある本でした。最後の章は骨太で、現場の気持ちがあふれていました。良い本でお薦めです。

それにしても、鉄道とは専門職人の集団です。実に巧みに細分化されています。世界一正確に運用されているのが日本の鉄道です。そこで働いている人達を尊敬しないではいられません。

 気になるのは、かって日本兵が優秀であったにもかかわらず、効率が上がらなかったように、鉄道の現場の意見が上に行きにくい職場でもあるようです。



2008年6月11日(水)23:07 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理


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