玉を拾ふと |
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| 新幹線の雑誌を見ていたら。万葉集の歌が紹介されていました。あまり有名でない作者の歌や、詠み人知らずの歌の中に素朴で心を打つ作品があります。紹介されていた歌もこんな歌でした。
「妹(いも)がため玉を拾ふと 紀(き)の国の由良のみ崎にこの日暮らしつ」
意味は 「貴女のために、私は真珠を拾おうと思い、紀伊の国の由良の岬で一日中過ごしました。」
紀伊の国は真珠が獲れるとされていました。当時は天然真珠ですから、大変貴重な物でした。 彼女のためのお土産にしようと真珠を探したのですが、素人に真珠が獲れるはずもなく、一日中海辺を探して歩いたのでしょう。
真珠をお土産には出来なかったけれど、この歌は真珠以上に素晴らしいお土産になったことでしょう。
なんと素朴で、優しさあふれる歌でしょう。
昔観た映画で、彼女とティファニーへ行ったのですが、どれも高くて手が出ないので、お菓子のおまけの指輪に、彫ってもらうことになる。そんなシーンを思い出しました。
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2008年10月20日(月)23:44 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理
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