朝に道を聞かば・・・ |
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| 先日食道癌になり、手術を受けた友人に再び会いました。今回はそれほど酔っていられなかったので、結構真面目に話せました。
癌と言っても、極々初期で問題がない様です。死にそうにないと十分承知しているのでしょうが、やはり一時は死を覚悟したのでしょう。本人は今にも死にそうな事ばっかり話すので、困りました。
ずいぶん前ですが、NHKで波の話が出たことがありました。通常の波動方程式では、波の高さはせいぜい15m のはずなのに、実際に30m以上の波が起こることがあると言うことでした。なんとこれがシュレジンガー方程式にしたがっていたのです。番組の最後にほんの少し出たのですが、大変ビックリしました。
月にロケットをとばす技術は、ニュートン力学だけで飛ばせます。地上でシュレジンガー方程式にしたがう現象があるなんて・・・
いろんな人に話したのですが、この彼を除いて全く反応が有りませんでした。彼は今では教鞭に立ったり、小説などを書いたりしていますが、学生時代は物理学を学んできた人です。 そのとき宇宙の統一理論など、たわいない話を長々とし、二人で興奮し合った思い出を話ました。
一時はとても不安だったが、現在はすっかり落ち着いている。何時死んでも良いような事ばっかり芝居じみて話します。人間はいつかは死ぬのだし、長生きだけでは意味がない。何か心理を求めて残りを過ごすと言います。
ふと孔子の言葉を思い出しました。 子いわく、朝(あした)に道を聞かば、夕べに死すも可なり 「子曰朝聞道 夕死可矣」論語より 簡単に言うと、朝心理を悟ることが出来れば、夕方には死んでも良いという、真理探究の決意を示した言葉です。すぐ死んでも良いという意味ではありませんが、この言葉を聞いて彼はとても喜びました。
何度も大丈夫だと言っても、5年生存率が5%以下だと言い張ります。自意識過剰な彼は、店に来る知り合いに次から次へと、もうすぐ死んじゃいそうなことを言いふらします。最後のおちは、「朝に道を・・・」です。お店ではズ~~と主役です。(笑)
なんだか芝居のお手伝いをしてしまったようで、苦笑しました。 でも彼の言葉の中に、手術は大丈夫だったと読み取れて、安心しました。
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2007年6月19日(火)00:26 | トラックバック(0) | コメント(0) | 今日の出来事 | 管理
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