さくらの木 |
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| もしも、母さんが叱らなきゃ、 咲いたさくらのあの枝へ、 ちょいとのぼってみたいのよ。
一番目の枝までのぼったら、 町がかすみのなかにみえ、 お伽のくにのようでしょう。
三番目の枝に腰かけて、 お花のなかにつつまれりゃ、 私がお花の姫さまで、 ふしぎな灰でもふりまいて、 咲かせたような、気がしましょう。
もしも誰かがみつけなきゃ、 ちょいとのぼってみたいのよ。
「金子みすヾ童謡集」より
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2007年4月14日(土)23:56 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理
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