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江戸300年「普通の武士」はこう生きた

江戸300年「普通の武士」はこう生きた
  誰も知らないホントの姿
           八幡 和郎、臼井喜法:ベスト新書

 サムライというと、日本の内外問わず武士道礼賛が盛んですが、実際はどうであったのかを、いろんな見地から書かれたものです。

 武士という言葉が一人歩きして、格好いいものになっていますが、実際にはごくごく平凡な生活をしていました。さらにそれほど勉強していたわけでもなく、武道もそれほど練習していませんでした。仕事も適当でした。まるで現代のお役所の役人の様でした。

 生活も上級武士は確かに裕福でしたが、中級、下級の武士はとても大変でした。

 参考になっている、神坂次郎「元禄御畳奉行の日記―尾張藩士の見た浮き世」、磯田道史「武士の家計簿―加賀藩御算用者の幕末維新」はここでも取り上げた一級資料といえます。

 この作者は、他の本からの内容を取り入れて意見を述べていますが、少し知識のある人には何ら目新しい内容ではなく、普通の読み物です。確かに一般に思われている武士というものは、とても美化されていますが、そのことを強調しすぎで、もう少し歴史的な変遷や、社会構造にまで及ぶ考察がほしいところです。



2006年4月22日(土)22:36 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理


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