Cat Schroedinger の 部屋
 
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2005年6月20日を表示

麻雀放浪記

 今日ある本を読んでいたら、麻雀の歴史が書かれていて興味深く読んだ。

 麻雀は19世紀に中国で誕生した物だが、それ以前に紙牌の馬吊(マーチャオ)があった。これは明代中期に生まれた紙カードで、500年の歴史がある。大正10年ころから日本に入り、大正15年頃「婦人畫報」で紹介され、だんだん盛んになった。アメリカ経由で日本に紹介されたそうで、七対子、緑一色などはアメリカで生まれた役だそうです。

 昭和になって、麻雀は一気に広まって昭和5年の頃ピークとなった。

 麻雀と言うとギャンブルと言う何か暗いイメージが付きまとうが、昭和28年、現在の天皇が皇太子時代、20歳の時客船ウイルソン号で外遊された時、その船中で麻雀をなさったそうです。
 
 航海4日目美しい中国女性から麻雀に誘われて、その後目的地に着くまでずっと麻雀で過ごされたそうです。殿下は毎日甲板を行ったり来たりして、麻雀に誘われるのをお待ちになったそうです。自分から自摸(ツモ)る手つきと牌を倒すポーズで「半荘ど~う?」とは言えない。

 最近はギャンブル性を排除して、明るいイメージになって、結構流行しているらしい。それに自動麻雀機の出現で、積み込みなどのいかさまも無くなったのも一因だろう。ちなみに我が家には、自動麻雀機があります。

 ふと昔観た映画を思い出した。戦後のどさくさの時代を描いた映画で、麻雀の映画では屈指の出来と思う。随分昔に観た映画のため検索したら、ストーリーが出てたので、それに若干の解説を入れ紹介。


 麻雀放浪記
監督:和田誠  原作:浅田哲也

 敗戦直後の上野。哲(真田広之)は終戦後も学校へは戻らずブラブラしていたが、ある日、勤労動員の工場で働いていた時にバクチを教えてくれた上州虎(名古屋章)と偶然会った。そして、虎に連れられてチンチロ部落に足を踏み入れる。なけなしの金しかない哲は、プロのバクチ打ちであるドサ健(鹿賀丈史)の張りにノッた。ドサ健のおかげで相当な勝金を得ることができた哲だか、その大半をコーチ料としてドサ健にとられてしまった。

 数日後、二人はアメリカ兵相手の秘密カジノ「オックス・クラブ」へ乗り込んだ。しかし、ドサ健は勝つだけ勝つと、哲が金を持っていないのを承知で帰ってしまい、哲は負け金が払えずアメリカ兵に打ちのめされてしまう。そんな哲を介抱してくれたのは、カジノのママ(加賀まりこ)だった。翌日からママのもとで本格的な麻雀修業が始まった。それにつれてママへの思慕も深くなっていった。

 ある日、哲は魔術師的なプロに出会う。出目徳(高品格)といって、虎のボス的存在だった。この徳から哲は“二の二の天和”というコンビ技を仕込まれ、いよいよドサ健と対決することになる。その頃ドサ健は、情婦のまゆみ(大竹しのぶ)の家を雀荘にして大層な羽振りだった。哲と出目徳、そしてドサ健一派との対決は、始めにわざとおかしな手つきをして、ドサ健にいちゃもんをつけさせ、牌を改めさせる。その後“二の二の天和”の技が炸裂し、哲たちの圧勝に終わった。ドサ健は持ち金全部では足りず、まゆみの家の権利書まで手離すほどだった。ドサ健は再度の対決を期すが、タネ銭がないので、まゆみを吉原に売ることにする。ここで一肌脱いだのがゼゲンの達(加藤健一)。彼は、先刻の勝負に立ち会っており、ドサ健たちのプロ魂に惚れていたのだ。達のおかげでまゆみは女郎にならずにすんだ。

 ここで言う“二の二の天和”とは二人で行う大技。牌を積む時自分に有利になるように、一つ置きに良い牌を並べるのが元禄積みです。しかしこれは牌を検められたり、ポンやチーによって自摸が変わると他の人に流れるので、たちどころに発覚するので、危険な技。もちろん山をずらして、自摸を変えることは可能だが、上から自摸ったように見せて、下から自摸のはなかなか大変。さいころで5や9がでれば、自分の山から取り出すので、簡単に有利な牌を積み込めるため、普通はさいころは二回振る。一回目は振る人を決める。その人が振った目から親が取り始める。そこで親はまずさいころを振って2を出す。自分の右の北家(右となり)のコンビが、更に2を出す。すると北家に仕込んだ牌と、親である自分の仕込んだ牌とあわせて、配牌から既に上がっていると言う、天和が完成する。

 一方、「オックス・クラブ」のママが人知れずいなくなった。男に頼ることなく一人で生きるママ、裏切られてもなお一人の男を思い続けるまゆみ。この二人の愛を通して、哲は少年から大人に成長した。

 再び対決の日が来た。哲、ドサ健、達、そして出目徳、哲は一匹狼のギャンブラーとして互角に渡り合う。この勝負の中で、幻の技十三枚返しのいかさまの場面が出る。これは持っている13枚の牌を、一瞬にして自分で積んだ山と取り替える技。実践ではとても使えない大技の一つ。二昼夜、勝負が続く。突然、出目徳が倒れた。“九連宝塔”という大きな手に、ヤクで弱っていた心臓が耐えられなかったのだ。

 “九連宝塔”とは一萬3枚、二萬から八萬迄は1枚ずつ、九萬が3枚で聴牌と言う役で、一萬から九萬まで全ての牌で上がりとなる、珍しい役。これを上がると不吉と言われている。三人は、出自徳の死体を彼の家まで運んで行き、帰りに上州虎をひろって、再び勝負を続けるべく、家に戻っていくのだった。



2005年6月20日(月)23:50 | トラックバック(0) | コメント(0) | 映画  ドラマ TV | 管理


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