Cat Schroedinger の 部屋
 
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杜牧の生涯

杜牧
 
 杜牧(803~852)字(あざな)は牧之(ぼくし)、西安生まれ。杜甫と韓愈を尊敬していた。李商隠、温庭筠(いん)、許渾(こん)、韋(い)荘、らと同時代の詩人。晩唐の時代であった。詩だけでなく、韓愈、柳宗元の後を継ぐ散文にも優れていた。

 詩聖である杜甫(712~770)が老杜(ろうと)といわれるのに対して、小杜(しょうと)といわれる。名前からも解るように、同じ祖先を持つ。

 杜朴は徳宗の貞元19年(803)長安で長男として生まれた。父は杜従郁、祖父は宰相となった杜祐であった。杜朴は宰相を祖父に持つ裕福な家庭に生まれ、幸せな少年時代をすごした。杜牧5歳の時弟杜顗(とぎ)が生まれた。

 杜牧10歳の時、祖父が退官、病死し、時を経ずして父の杜従郁も病死した。一家はたちまち困窮、家も売って転々とした。20歳の時受験勉強をはじめ、26歳に科挙に合格した。

 杜牧30歳の時、弟の杜顗(とぎ)も4年後に科挙に合格、幸せな日々が続いた。このころから杜朴は毎晩歓楽街に遊ぶようになる。

 杜牧35歳の時、弟の杜顗(とぎ)眼病となり失明する。その後杜朴は弟の家族を養うため、苦労することとなった。

 杜牧は科挙の進士に及第し、エリート官僚としてスタートしたが、結局地方官吏として、一生各地を転々とした。

 若い頃の、奔放な生活の詩は、明るくて爽快。写景詩に優れていて、流麗な詩情の中に、悲しい世の移り変わりを歌う。当時の政局の不安定さも、杜朴の人生に影を落としていた。



2005年6月13日(月)01:11 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理


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