Cat Schroedinger の 部屋
 
                        雑談の部屋です。
 



2005年4月6日を表示

伊良子半島

 知り合いが、伊良子半島からフェリーに乗って伊勢のほうに行く話になって、伊良子岬には島崎藤村の有名な碑があると教えてあげました。椰子の実をジャワのほうから流してみて、実際に日本にたどり着くかと言う実験が行われ、見事に何個か流れ着きました。その話を聞いてその人は、びっくりしてました。私が歌おうとしたのですが、一番だけしか覚えてなかった。字で見てみると難しい字を使ってますね。

 最近ではゴミも、名も知らぬ遠き島より流れ寄るようで、昔のようにロマンチックな話ではないようです。確かに発泡スチロールを胸に当てても、新たな流離の憂いは湧かないな~(笑)
 ゴミを分析して、どこの国から流れ着いたか突き止めて、国際問題にするらしい。 


椰子の実
 
名も知らぬ遠き島より
流れ寄る椰子(やし)の実(み)一つ
故郷(ふるさと)の岸を離(はな)れて
汝(なれ)はそも波に幾月(いくつき)

           
旧(もと)の樹(き)は生(お)いや茂(しげ)れる
枝はなお影をやなせる
われもまた渚(なぎさ)を枕(まくら)
孤身(ひとりみ)の浮寝(うきね)の旅ぞ


実をとりて胸にあつれば
新(あらた)なり流離(りゆうり)の憂(うれひ)
海の日の沈むを見れば
滾(たぎ)り落(お)つ異郷(いきよう)の涙
思ひやる八重(やへ)の汐々(しほじほ)
いづれの日にか国に帰らん



2005年4月6日(水)00:32 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理

若山牧水

海の声
                 若山牧水

白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ

白き鳥ちからなげにも春の日の海をかけれり君よ何おもふ

春の海のみどりうるみぬあめつちに君が髪の香満ちわたる見ゆ

春の海さして船行く山かげの名もなき港昼の鐘鳴る

春の雲しづかにゆけりわがこころ静かに泣けり何をおもふや


別離
                    若山牧水

別るる日君もかたらずわれ云はず雪ふる午後の停車場にあり

春の日の満てる木の間にうち立たすおそろしきまでひとの美し

君すててわれただひとり木の間より岡にいづれば春の雲見ゆ

病院の玻璃戸に倚れば安房の海のあなたに伊豆の山焼くる見ゆ

安房の国の朝のなぎさのさざなみの音のかなしさや遠き富士見ゆ



2005年4月6日(水)00:29 | トラックバック(0) | コメント(0) | 書籍 (短歌、漢詩) | 管理


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