Cat Schroedinger の 部屋
 
                        雑談の部屋です。
 



2005年11月12日を表示

ウォルター少年と、夏の休日

衛星放送で観ました。
ウォルター少年と、夏の休日

監督・脚本:
ティム・マッキャンリーズ(アニメ「アイアン・ジャイアント」)
出演:ハーレイ・ジョエル・オスメント、マイケル・ケイン、ロバート・デュヴァル

あらすじ
 父親のいないウォルター少年が母親から離れて預けられた田舎の家。テレビも無く近所の友達もいない。あるのは広い大地と、無愛想で頑固者のおじいさん二人と6匹の動物だけ。田舎の生活に馴染めないウォルターはある晩、屋根裏部屋で古い女性の写真を見つけた事から、おじいさん達の謎めいた過去に繋がるとてつもない冒険の話が始まります。

 「海を越えアフリカに渡り幾多の危機を乗り越えて砂漠の王女と恋に落ちた」  このアラビアン・ナイトのような世界観を作り出したのは「タイタニック」でアカデミー賞を独占したデジタル・ドメインの最高峰技術。次から次へと紡ぎだされる昔話をきっかけに、おじいさんと少年、それぞれの人生が大きく変わり始めていく―。

 一人でも信じる人がいれば、それは真実になる。
夢見る事が出来たなら、後の人生は何倍にも輝くだろう。

 この信じるということがこの映画の大きなテーマになっています。母のことを信じられない孤独な少年が、頑固者のおじさんと共に生活していくうちに、とてつもない話をだんだん信じるようになっていきます。というか現実的な少年は、ある程度ホラ話と思って、面白がって聞いていますが、少しずつ心が開かれていきます。
 40年間も同じ場所に住み続けているハブとガースは、自分たちが役に立たない存在なのだと思い込んでいます。だが彼らはウォルターに何かを信じることを教えるうちに、少しずつ希望が芽生えていくのを感じはじめます。死を待つためだけにテキサスへ戻ってきた二人の老人が、少年に貴重な経験をさせることができ、彼らが少年を変え、少年が彼らを変えていきます。やがて彼らは、自分たちがまだ何かの役に立てると実感するのでした。

 作品のラストに、成人したウォルターはハブ&ガース兄弟の天敵だった族長のひ孫が現れて、おじさんたちの話が真実だったのを知ります。

 とにかく、3人の役者の演技があまりにも素晴らしく、舌を巻きます。何も無い荒野で、色気も何にも無い無骨な二人の老人と、孤独な少年。どちらも社交的でなく、ギクシャクした関係から、とてつもない冒険の話を聞くうちに、だんだん二人がすごい人だと思っていく少年と同じように、見ているほうもどんどん引き込まれていきます。作品の筋立てが架空の話のようなことを話すし、聞くほうも半信半疑でと難しいので、演技も大変です。映画では、冒険の物語を、映像で見せますが、むしろ話だけの方が、いいのかもしれません。
 しかしそれではあまりにも地味になるから、観客へのサービスで、冒険の映像が、漫画のように現れます。地味ですが、素晴らしい作品でした。



2005年11月12日(土)23:42 | トラックバック(1) | コメント(0) | 映画  ドラマ TV | 管理


(1/1ページ)