Cat Schroedinger の 部屋
 
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「羽衣」

「羽衣」
 昨日オフ会の一人が薪能を観てきました。演目の一つに御当地物なので、「羽衣」がありました。
実は羽衣伝説には、単に舞をみせるものと、羽衣を隠され、漁師の妻になる話があります。

 能楽では単に舞をみせるだけです。羽衣を見つけた漁師は自分の家宝にするといいます。天女は人間が持つものではない、それにそれが無いと天に帰れないから返せと言います。いやだというととても悲しそうにするので、返すことにしますが、その代わり天女の舞を見せろと言います。では返してくださいというと、受け取るとサッサと舞わないで、帰るんじゃないかと疑います。天女は疑うということは人間のすること、天人は疑う、だますようなことは無いといいます。漁師は恥じ入って、羽衣を返し、天女は見事な舞をみせて、天上に帰っていきました。
 
舞い始めるときの地歌に
 「春霞。たなびきにけり久方の。月乃桂乃花や咲く。げに花鬘色めくハ春のしるしかや。面白や天ならで。 ここも妙なり天つ風。雲の通路吹き閉ぢよ。少女乃姿。暫し留まりて。こ乃松原の。春乃色を三保が崎。月清見潟富士乃雪いづれや春乃曙。類ひ波も松風も長閑なる浦乃有様。その上天地ハ。何を隔てん玉垣乃。内外の神乃御裔にて。月も曇らぬ日の本や」と歌います。
  百人一首の一句で僧正遍昭の「天津風雲の通ひ路吹きとぢよ をとめの姿しばしとどめむ」が歌いこまれています。余談ですが、タカラジェンヌに天津乙女という方も居ましたね。
  舞い自体は能楽にしては華やかで、静岡の薪能では定番です。能はよほど気合を入れて観ないと、眠くなるので・・・

 以前「道成寺」を観たとき、歌舞伎の華やかな踊りを期待していたのに、白拍子の舞いがあまりにも動きが少なく質問したら、あれは大蛇が動き始める不気味さを表しているといわれました。舞う方は難しく良い所だそうです。最後に鐘の中に入るのですが、危険な業で有名です。流派によって入り方がどうのこうのというくらいにならないと・・・う~~ん観るほうも難しい(笑)
 船弁慶などはリズミカルで景気良く、観ていてもなかなかいいのですが、やっぱり歌舞伎のダイナミックさには敵いません。その歌舞伎自体も昔の踊りに比べると、現代人に合わせるように、ずいぶん早くなっていると聞いたことがあります。



2005年10月9日(日)23:27 | トラックバック(0) | コメント(0) | 今日の出来事 | 管理


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